2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550172
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松居 正樹 岐阜大学, 工学部, 教授 (60108058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕浦 秀樹 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40021612)
吉田 司 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90273127)
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Keywords | 太陽電池 / ナノ材料 / 複合材料・物性 / 構造・機能材料 / 有機工業化学 |
Research Abstract |
一段階カソード電析法で作製したナノポーラス酸化亜鉛薄膜を用いた色素増感太陽電池用の増感色素の検索を行い、以下の知見を得た。 1)セミスクアリン酸の酸化亜鉛色素増感太陽電池への応用を検討した結果、インドール骨格の色素に長鎖アルキル基を導入することで、その立体的嵩高さにより色素間相互作用を抑制し、IPCEの値を38.0%にまで改善することができた。 2)オキサジン色素は熱力学的には酸化亜鉛を増感することは可能だが、会合体を形成しやすいため、良い電池特性を示さなかった。デオキシコール酸(DCA)を共吸着させることで会合体を抑制し、IPCEを6.91%、変換効率を0.29%へと改善できたが、同時に色素吸着量も減少し、電流値が低下した。DCA添加による会合体形成の抑制効果と電流値を改善するための色素吸着量増加のバランスが重要であった。 3)各種アクセプター部位を有する色素の酸化亜鉛色素増感太陽電池への応用を検討した結果、電池特性は、概ね良好な値を示した。アクセプター部位のπ平面が大きく、分子内で極性も強まるに伴い、会合体を形成しやすくなった。会合体形成を抑制するために、DCAの添加濃度も大きくする必要があった。最適な浸漬時間で、色素とDCAを最適な濃度で共吸着させることにより、色素の会合体形成を抑制し、光電気化学特性を向上させることに成功した。 4)環にフッ素が置換した4種類のフルオレセインの酸化亜鉛への増感性能を検討した。その中で、4,5,6,7-テトラフルオロフルオレセインが最も大きな変換効率を示したが、フッ素を含まない誘導体よりも低い値であった。アンカー基としてはスルホ基よりもカルボキシ基のほうが良好であった。 5)2',4',5',7'-テトラフルオロ-,テトラクロロ-,テトラブロモ-(eosin Y),およびテトラヨード-(erythrosinB)フルオレセイン類について検討した。クロロ、ブロモ、ヨウ素を含むフルオレセイン類の光電気化学的性質は、フルオレセインやフッ素を含むフルオレセインよりも、概ね良好であった。IPCEは、I(73%)>Cl(69%),Br(65%)>H(40%)>F(24%)の順であった。
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Research Products
(2 results)