2005 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素オイルの乳化に適した新規フルオロアルキル基含有二鎖型界面活性剤の開発
Project/Area Number |
17550173
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
川瀬 徳三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60152956)
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Keywords | パーフルオロオクタン酸 / フルオロアルキル基 / 二鎖型界面活性剤 / Gemini / 表面張力 / 臨界ミセル濃度 / フルオロアルキルラジカル / スルホン酸基 |
Research Abstract |
パーフルオロオクタン酸塩(PFOA)は、高い化学的・生物学的安定性と極めて優れた界面活性(表面張力低下能・吸着能や乳化能など)を有することが知られており、フッ素オイルの乳化剤として大量に使用されているが、高濃度で人や生物に蓄積し、広く環境中に残留していることが明らかになり、環境問題としてクローズアップされてきている。しかし、有機フッ素化合物の乳化は炭化水素系界面活性剤では不十分であり、環境や生物への蓄積性の低いフッ素オイルの乳化に適した界面活性剤の開発は急務である。本年度は、長鎖フルオロアルキル基に代わり、生体蓄積性を低減させることが可能と考えられる短鎖のフルオロアルキル基を両端に導入した新規フルオロアルキル基含有二鎖型界面活性剤(Gemini)の分子デザインおよび合成ルートの検討を行った。 その結果、各種鎖長のフルオロアルキル基を有するスルホン酸基を親水基とする二鎖型界面活性剤を、1,4-ペンタジエンを出発物質としたフルオロアルキルラジカルの付加をキーステップとする合成するルートを確立した。界面材料としての基本物性である界面活性剤水溶液の表面張力測定の結果、対応する一鎖型の含フッ素界面活性剤と比較して、1桁以上小さな臨界ミセル濃度(cmc)を有することがわかり、期待通り優れた界面活性を示すことが明らかになった。界面張力についても同様な結果が得られていることから、今後は、フッ素オイルの乳化を中心に検討する。
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Research Products
(1 results)