2006 Fiscal Year Annual Research Report
層間イオンを高密度化したマイカセラミックスの合成とイオン伝導
Project/Area Number |
17550176
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樽田 誠一 信州大学, 工学部, 教授 (00217209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 圀夫 信州大学, 工学部, 教授 (30021009)
山口 朋浩 信州大学, 工学部, 助教 (30283237)
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Keywords | マイカ / セラミックス / 層状化合物 / イオン交換 / プロトン / リチウムイオン / イオン伝導 |
Research Abstract |
Na-4-マイカを酢酸水溶液でイオン交換し、得られたイオン交換体の底面間隔(c・sinβ,(c,β:格子定数))と格子定数(b)を測定した。イオン交換の回数の増加とともにc・sinβは増加したことから、層間にはプロトンではなくオキソニウムイオン(H_3O^+)が導入されたことがわかった。そのイオン交換体を200〜1000℃で焼成すると、400℃まではH_3O^+イオン交換体の結晶構造に大きな変化はないが、600℃での加熱によって、層間のH_3O^+は脱水してプロトンに変化したと考えられた。このプロトンに変化したイオン交換体の伝導度は、600-650℃で10^<-7>(S・cm^<-1>)オーダーの値を示し、湿潤下では約80℃で10^<-4>(S・cm^<-1>)オーダーの値を示した。これよりプロトンは溶液を介し移動しやすくなることがわかった。 また、Na-4-マイカを塩化リチウム水溶液で上記と同様にイオン交換することによって、Li^+イオン交換体の作製を試みた。その結果、層間にはLi^+イオンではなく、水和したLi^+イオンが導入されることがわかった。このイオン交換体を加熱すると、層間の水和水が脱水し、750℃でほぼLi^+イオンのみになると考えられた。800℃では、イオン交換体は分解してβ-ユークリプタイトなどに変化した。イオン交換体の伝導度は脱水することによって高くなり、750℃で焼成したイオン交換体は650℃で10^<-4>(S・cm^<-1>)オーダーの値を示した。しかし、この数値はNa-4-マイカの伝導度とほぼ一致し、層間のNa^+イオンが完全にイオン交換されていないことが影響したと考えられた。
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Research Products
(3 results)