2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境制御NMR法による高分子の結晶化機構に関する研究
Project/Area Number |
17550184
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山延 健 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (40183983)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 結晶化 / NMR / 環境制御型 |
Research Abstract |
環境制御NMR法による高分子の結晶化機構に関する研究を行うために下記のような結果を得た。 1.高感度プローブの開発 昨年,一昨年プローブの高感度化および延伸装置の作製を行った。この装置による測定の結果,延伸過程をリアルタイムに測定できるようになた。しかし,温度変化を行う際に従来の加熱システムでは延伸の一端の側から温度変化用のエアーを送り込んでいた。このシステムでは測定プローブ中で温度勾配が生じてしまい,延伸により片側だけののびが生じてしまうことが明らかになった。そのため,温度可変用エアーを延伸軸に対して垂直に導入するための改良を行った。 2.延伸用プローブのポリエチレンの延伸過程への応用。 超高分子量ポリエチレンの溶融延伸過程に於いては融液から斜方晶生成の前に一時結晶化として六方晶の結晶系が生成する。この延伸過程に対して分子運動性は融液から,結晶への変換の間,どの様な変化をするのかを開発したプローブを用いて検討した。その結果,融液中の高分子の絡み合いの成分として,絡み合いのない成分,緩く絡み合った成分そして強く絡み合った成分が存在することが明らかになった。さらに,開発したプローブを用いた解析法によりそれらの成分の成分比を見積もることができることが明らかになった。このような手法は高分子の絡み合いを定量的に見積もることができる数少ない手法であり,高分子の基礎的研究および開発研究においても有用であることがわかった。
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Research Products
(18 results)