2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550186
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
河原 成元 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00242248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十野 善信 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30135321)
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Keywords | ナノマトリックス構造 / ゴム / ラテックス / 耐油性 / 粘弾性 |
Research Abstract |
厚さ数nm〜数十nmのガラス状または結晶性高分子マトリックスに平均粒径1μm程度のエラストマーを分散することにより、ナノメートルオーダーのスポンジ状構造(ナノマトリックス分散構造)を有するナノマトリックス分散高分子材料を創製することを目的として実験研究を行った。原料としてポリブタジエンラテックス、ポリイソプレンラテックスおよび天然ゴムラテックス等のゴムラテックスを用い、ラジカル開始剤およびモノマーを順次滴下し、30℃でスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチルのグラフト共重合を行なった。このグラフト共重合ラテックスから作製したフイルムをOsO_4染色してから透過型電子顕微鏡(TEM)観察することにより相分離構造を観察し、ナノマトリックス構造が形成されていることを確認した。ナノマトリックス構造を形成するグラフト鎖の分子量および分子量分布は、オゾン分解により二重結合を切断してからマトリックスを形成する高分子だけを単離してから、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定した。分子量は約1万であり、分子量分布は多分散度が1.7と狭かった。ナノマトリックス構造を形成した天然ゴムの耐油性と引張強さは、同じ組成であるにも拘らず海島構造を形成した場合と比較して、それぞれ約10倍および4倍高くなった。さらに、動的粘弾測定を行なったところ、貯蔵弾性率と損失正接はともに上昇することが見出された。これにより、エラストマーの優れたエネルギー散逸を保持しながら、弾性率を高くできることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)