2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光トレーサーを用いた配列ナノ繊維群形成機構の解明とその応用
Project/Area Number |
17550187
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小形 信男 福井大学, 大学院工学研究科, 教授 (70108249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 幸治 福井大学, 大学院工学研究科, 助手 (50292446)
山口 新司 福井大学, 大学院工学研究科, 教授 (40397295)
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Keywords | 溶媒型電界紡糸 / 溶融型電界紡糸 / ナノ繊維配列マット / 導電性ナノ繊維マット |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、第1にナノ繊維の配列生成機構を解明すること、第2にそれを用いて導電性マットを作製しその特性を評価することである。本年度行った研究内容を以下に記述する。昨年度の研究に於いて、溶媒型電界紡糸法で繊維形成過程をミクロに観察することを試みたが、テーラコーンから繊維が吐出するまでは観測されたが、それ以上観察することが不可能であった。そこで、新たにレーザ加熱部を有する溶融型電界紡糸装置を開発し、繊維形成過程と配列群形成機構を観察した。その結果以下の事が分かった。溶融した高分子から、一つのテーラコーンが形成され、このコーンから一本の繊維が繊維捕集体方向に直線的に形成されることが明らかになった。溶媒型電界紡糸法においては、テーラコーンから一本の繊維が形成され、これがwhipping運動しながら繊維堆積物が得られると報告されている。溶融型の場合,whipping運動が観察されなかったので、whipping運動は溶媒の蒸発に伴う現象であると結論出来る。1本の繊維がwhipping motionを伴わないで形成されるため、配列繊維マットを得るには単にコレクターの回転数を増加させることで達成される。このような結果から、溶媒型電界紡糸法における繊維群形成機構が推測した。高分子に導入された電荷がコレクターから引力を受け、stretch zoneで自己伸張して微細繊維が形成され、その後、溶媒の蒸発に伴い、whipping運動が生じるが、これは繊維の微細化と関係なく、含有溶媒の分だけ微細化が進行すると考えている。従って、微細繊維を得るにはstretch zoneの長さを如何に大きくするかが問題であり、また、配列繊維群を得るためには、whippingが生じないように比較的太い繊維が形成されるようにすれば良いと考えた。この結果を応用して、既存の溶媒型電界紡糸装置を用いて、導電率が高く、異方性導電率を持つ薄膜マットを開発した。具体的には、作製した装置を用いて導電率が高く、異方性導電率を持つ可擁性マットの開発をする。その方法は、(1)セルロースアセテート(CA)をアセトンとDMSOに溶解させ紡糸する。それと同時に、塩化第3鉄を含む水溶液も電界スプレーし、CAナノ繊維表面に塩化第3鉄が付着したマットを作製する。これをピロールガスに曝すことにより、ポリピロールを生成し、導電性を付与する。(2)ポリピロールの生成量と試料の透明度を分光光度計(要求装置)で調べる。(3)異方性導電率を4端子プローブ法(要求装置)で調べ、マット厚さとの関係を明らかにする。また塩化第3鉄のスプレー量がマット厚さと異方性導電率に及ぼす効果を明らかにする。(4)以上の結果をまとめ、高導電性マットの作製可能性を明らかにすることである。結果は、配列したナノ繊維マットは異方性のある導電性マットが開発できることが分かった。
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Research Products
(4 results)