2005 Fiscal Year Annual Research Report
超強力繊維の新規メッキ法の開発と導電性ワイヤーへの応用
Project/Area Number |
17550188
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
堀 照夫 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90092832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久田 研次 福井大学, 工学部, 助手 (60283165)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 金属錯体 / 無電解メッキ / メッキ繊維 / アラミド繊維 / 無線 |
Research Abstract |
超臨界流体を媒体とする繊維の染色原理を利用し、金属錯体を超臨界二酸化炭素(scCO_2)に溶解させ、この浴で繊維を処理することで繊維内に錯体が注入・固定される。これを還元すれば、繊維内で金属が析出し、これを核として容易に無電解メッキできる技術を見出している。 本研究でははこれを発展させ、メッキ対象を芳香族ポリアミド(アラミド)繊維やポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維などの超強力繊維に応用することで、従来の送電用電線にとって代わる導電性ワイヤーの開発を目指している。これらの超強力繊維は高ヤング率、高弾性、高耐候性を有し、金属以上の優れた物性を有している。これらの繊維はガラス転位温度Tgが高く、高結晶性、高配向性のためメッキは容易でなかったため、1)適した金属錯体を探索すること、2)錯体注入に必要な温度・圧力条件を見出すこと、3)必要に応じて超臨界二酸化炭素流体に適量の第2成分(モディファイアー)を添加すること、4)メッキの接着強度を簡易的に測定すること、および5)得られたメッキ繊維の電気抵抗を測定すること、を行なった。その結果、以下のことを見出した。 1)特にパラジウム、白金錯体が有効であり、これは還元剤なしで熱還元もできる。 2)金属錯体の安定性と熱還元性を考慮し、120℃以上の適当な温度、25MPa程度の処理条件が適当である。 3)モディファイアーとしてアルコール類が適当である。 4)接着強度はセロテープ引っ張り法で評価でき、今回の方法でメッキした繊維は高い接着強度を有する。 5)電気抵抗値は0.002Ω/cmまで下げられること。 などを明らかにした。しかし、繊維の強度は最大で5%程度低下することがあることも明らかとなった。
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Research Products
(2 results)