2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子複合系の異方性束縛場における構造形成・緩和過程の解析とその固定化
Project/Area Number |
17550190
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 克史 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (50207081)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米竹 孝一郎 山形大学, 工学部, 教授 (30143085)
木村 浩 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40313910)
|
Keywords | 高分子構造・物性 / ナノ材料 / 複合材料・物性 / 材料加工・処理 / 解析・評価 |
Research Abstract |
1.板状ナノ粒子であるベントナイト、ヘクトライトについて有機溶媒を用いてコロイド分散系を調整し、徹底的な脱塩・脱水を行った。光の透過率、レオロジー測定によって評価した粒子の分散は、分散媒の誘電率増大によって安定化する傾向が得られ、電気二重層の厚さ(デバイ長)によって理解された。また、有機溶媒中で形成される電気二重層が粘度へ及ぼす影響は極めて小さいことが明らかとなり、電気二重層が水系と比較して極めて薄いことが考察された。 2.(1)反応性シリコーン、酸化チタンナノ粒子、カーボンナノファイバー分散系について、熱特性、レオロジー特性等を検討した。シリコーン及び分散系の硬化過程は、電気的測定よりはレオロジー測定によって、より良く検出される結果が得られた。 (2)分散系における電場配列を行い、光学顕微鏡によるその場観察、電気特性計測を行った。ナノ粒子・ナノファイバーの配列挙動と、分散系における見かけの電気特性、例えば、誘電率、誘電損率との間に相関関係が得られ、その場でのモニタリングに有効である結果が得られた。 3.(1)セルロース誘導体等方性水溶液、酸化チタン分散系における正弦波電場下での固定化過程は、偏光顕微鏡観察、100kHz帯域の電気特性計測によって良好に検出される結果が得られた。また、固定化試料における偏光分光解析、広角X線回折等の結果、ヘリックスを形成しているセルロース誘導体のらせん軸は、電場方向と垂直な方向に、一軸的に配向する傾向が得られ、粒子の分散は良好である結果が得られた。 (2)異方性水溶液、多層カーボンナノチューブ分散系において、せん断及び1MHz帯域の正弦波電場印加を行い、上記3.(1)と同様に配向挙動を検討した。観察初期に与えるせん断方向と電場方向の関係によって、電気的な特性に差異が認められたが、より詳細な検討を行う必要があると考えられる。
|
Research Products
(10 results)