2005 Fiscal Year Annual Research Report
CrNをバッファ層として用いたAlGaNテンプレイト作製技術の開発
Project/Area Number |
17560002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
ちょ 明煥 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00361171)
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Keywords | CrN緩衝層 / GaNエピタキシャル / HVPE / MBE |
Research Abstract |
本研究では簡易的に高純度なGaNエピタキシャル膜を得ることができる方法としてCrNバッファ層を用いた成長法を提案し、得られたCrN膜とGaNの特性について報告する。 1.MBE成長CrN緩衝層上へのGaN厚膜成長 高真空度MBEチャンバの中で高純度金属(5N)Crソースと窒素RFプラズマを用いてサファイア基板上に単結晶GaN成長の核としてCrN薄膜成長を行い、その上にIn-situでGaN薄膜成長を行った。次はこのGaN Template基板上にHVPE法を用いて40μmの厚膜GaNを成長し、GaN膜の結晶性、表面モルフォロジ、欠陥密度とCrNバッファ層の成長条件との関連性を調べた。 2.スパッタリング成膜CrN緩衝層上へのGaN厚膜成長 スパッタリング法による数十nm厚のCr薄膜を作成し、HVPE装置内にてNH_3による窒化を行いCrN緩衝層を成膜、その上へのGaN厚膜成長を行った。次はこのGaN Template基板上にHVPE法を用いて40μmの厚膜GaNを成長し、GaN膜の結晶性、表面モルフォロジ、欠陥密度とCrNバッファ層の成長条件との関連性を調べた。良質なGaN厚膜を得るためには、金属Crの膜厚は5nm、7nm、10nm、20nm、50nm、100nmの試料を用意した。また、成長時にこれらの試料を同時にHVPE装置内に入れGaN厚膜成長を行った。スパッタリング時の金属Cr膜厚が10nmの試料が一番良い表面を示し、10nmより金属Crの膜厚が薄い試料、すなわちt=5nm、7nmの試料では、GaN表面に発生したピット密度が大きく、またピット同士が結合し巨大化しているため、平坦な表面が得られていない。また、t=50nm、100nmの試料では他の試料とは異なる表面モフォロジーを示した。このモフォロジーはDCスパッタリングによりCrN薄膜を成長した時のモフォロジーに酷似している。これらの試料のXRD測定の結果、金属Crの厚さt=10〜20nmの試料が良い結晶性を示した。また、t=5〜7nmの試料ではt=10〜20nmの試料に比べ結晶性が劣る傾向が見られた。t≧50nmの試料ではロッキングカーブを観測することができなかった。これらの試料上にはGaN厚膜が成長しなかったものと考えられる。原因としては、CrN(/Cr)膜厚が厚すぎたためCrNが多方向成長を始め、平坦なCrN(III)面が得られなかったためであると考えられる。GaN表面のピット密度が他の試料に比べて小さいこと、優れた結晶性を有することから、本研修ではスパッタリング時の金属Crの厚さは10nmが最適であると決定した。 この手法を用いて2インチサファイア基板上にクラックフリ40μmのGaNの成長の結果を得ることに成功し、TEMにより評価結果欠陥密度が1x10^8(cm-2)以下の低電位結晶を得ることが出来た。
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Research Products
(3 results)