2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモンを使った全光型スイッチング素子・双安定素子の作製
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17560006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10214305)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / 非線形光学効果 / 光スイッチング / 光双安定性 / 光カー効果 / 近接場光学 |
Research Abstract |
表面プラズモンは金属中の電子の波であり表面近傍ではその境界条件により光と相互作用し共鳴状態を起こす。表面プラズモンが持つ以下の特徴を利用して光スイッチングデバイス、光双安定デバイスの作製をめざす。(1)共鳴条件が表面近傍の屈折率に敏感であること。(2)共鳴時には表面近傍に10倍程度に増強されたエバネッセント波と呼ばれる電場が局在すること。本研究はこれらを利用して、ポリジアセチレンなどのπ共役高分子中に生じる光カー効果を表面プラズモン共鳴により増強して、その動作を確認することを目的としている。本年度は以下の研究を行った。 (1)全反射減衰法を使った表面プラズモンの励起方法の検討 (2)π電子共役高分子の堆積方法の検討 (3)非線形顕微光学系の作製 全反射減衰法を使った表面プラズモン励起には2種類の方法がある。1つは、プリズム底面上の金属薄膜における表面プラズモンを励起するクレッチマン配置と呼ばれる方法であり、もう一つはプリズムと金属の間にギャップを設けて表面プラズモンを励起するオットー配置と呼ばれる方法である。検討の結果いずれも有用であることがわかった。 次に、金基板上に光カー効果を起こす材料を塗布する方法について検討した。その結果、ポリジアセチレンナノ微粒子を交互累積法を使って堆積することを検討し、それが最も適しているという結論を得た。これは、膜厚の制御等を行うことが容易であり、大きな非線形感受率を有する高品質の膜が得られるためである。一方、チタンサファイアレーザーを光源とした顕微光学系を作製し、10μmの分解能で非線形光学現象を画像化できるようにした。
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Research Products
(2 results)