2005 Fiscal Year Annual Research Report
内殻-価電子帯間遷移発光を利用した高輝度(量子効率>1)蛍光材の開発
Project/Area Number |
17560007
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊藤 稔 信州大学, 工学部, 教授 (80126664)
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Keywords | 蛍光材 / カソードルミネッセンス / 発光効率 / 発光寿命 / オージェ・フリー発光 |
Research Abstract |
1)今回の実験で用いる試料粉末は全て当研究室で合成・作成した。オージェ・フリー発光(AFL)を生ずる物質のうち、取り扱いの易しさ(材料が安価、潮解性がない、電子線照射により格子欠陥の出来難い等)を考慮して、最初の実験対象としてBaF_2とCsClを取り上げた。 2)今回は、蛍光体材料としての適性を調べる目的で、電子線ビーム照射下での発光特性(発光効率、発光スペクトル、発光寿命)を粉末試料について測定した。実験は全て室温で行った。電子線励起により生ずるカソードルミネッセンスは既存の石英ファイバーを介して解析用分光器の入射部に導いた。発光の量子効率を求めるため、基準サンプルとして量子効率が既に分かっているZnS:Ag:Cl蛍光体粉末(市販品を購入)を用い、BaF_2,CsCl試料との発光強度の相対値を比較した。 3)以上の実験を電子線ビームの電流密度と加速電圧を変えて行い、高い量子効率が得られる励起条件を系統的に調べた。 4)発光特性を多面的に調べるため、電子線以外にも、通常の紫外線・可視光線(定常励起、パルス励起)を光源とした実験も実施した。これらの実験により、蛍光材開発に不可欠な発光中心の同定や試料の品位(不純物の有無など)を調べることができた。 5)発光寿命の測定には、既設のNd:YAGレーザーを励起パルス光源として、発光のパルス波形を現有のデジタルオシロスコープを用いで観測・記録した。更に、発光減衰のダイナミックスを調べる際には、時間分解発光測定装置も利用した。
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Research Products
(6 results)