2006 Fiscal Year Annual Research Report
高密度ラジカル処理法による基板表面の超親水化と高品質絶縁膜の形成
Project/Area Number |
17560009
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
和泉 亮 九州工業大学, 工学部, 助教授 (30223043)
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Keywords | ホットワイヤー / 表面窒化 / アンモニア分解種 / シリコン窒化膜 / ヘキサメチルジシラザン / シリコン炭窒化膜 |
Research Abstract |
SiCN膜の一般的特性評価として光学的特性,硬度特性,濡れ特性,耐熱特性を評価し,耐食性評価として10%希釈H_2SO_4水溶液による浸漬試験を行い,膜厚・屈折率測定,濡れ性評価を行った. 背圧1.0×10^<-5>Torrの真空チャンバー中にn-Si(100)基板や各種基板を設置し,原料材料としてHMDSおよびNH_3を通電加熱したタングステンフィラメントに供給しSiCN膜を成膜した.ガス圧は0.03-0.3Pa,基板温度は40-250℃,タングステンフィラメント温度は1750℃とした.基板温度については基板ヒータおよび冷却水の使用により制御している.膜厚・屈折率はエリプソメータを使用し,膜組成評価にはX線光分子分光(XPS)法,膜の透過率は分光光度計を用いた.高度特性については超微小硬度測定装置を用いた.耐食性試験においては10%の硫酸水溶液(室温)に24,48,96時間浸し,各種評価を行った. SiCN膜の透過率特性を調べたところ,可視光領域において100%近い透過率を持つ透明な膜であることが分かる.XPS測定よりSi-N結合の増加により紫外線領域での透過率の上昇が観測された.硬度特性を調べたところ,SiCN膜はSi以上の硬度を有することが確認された.また,その硬度はC-C結合の組成比に大きく関与しており,その値が増加するほど硬度が小さくなることが確認された.SiCN膜は10%希釈H_2SO_4水溶液による浸漬試験を行ったところ,試験後の膜表面状態の変化や膜減りをほとんど起こさなかった._ SiCN膜は透明でかつ高い硬度を有していることが確認された.また強酸をはじめ各種酸に対して長時間侵食しても膜厚の減少は見られず,SiCN膜は酸に対して高い耐食性を示すことを確認した.
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Research Products
(3 results)