2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 誉人 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (00205113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉瀬 章子 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (50234472)
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Keywords | 数理計画法 / 大域的最適化 / 非線形計画法 / アルゴリズム / 分枝限定法 |
Research Abstract |
平成18年度は2種類の非線形非凸計画問題に対し,それぞれの大域的最適解を生成するアルゴリズムの研究を主として行なった. 非凸計画問題の典型例に,2つの凸集合の差集合上で1次関数を最適化する逆凸計画問題がある.その特殊ケースとして,線形計画問題に凸関数が所与の値以上となる条件を追加した問題を考察し,従来のアプローチとは全く異なる分枝限定法を構築した.このアルゴリズムは,線形計画問題に対する単体法の最小添字規則が凸多面体の任意の端点から最適端点までのユニークな経路を辿ることを利用し,これらの経路すべてによって構成される全域木を分枝木として逆凸計画問題の最適解候補を列挙する.その過程で必要となる記憶容量は問題規模の多項式に抑えることができるため,既存の方法のように計算爆発によって最適解が求められなくなる危険は皆無となる.したがって,主記憶の限られた計算機上でも必ず大域的最適解の得られることを示した. もう1つの問題は化学プロセス工学に現れる混合整数非線形計画問題で,上記に比べてオーソドックスな分枝限定法を構築した.このアルゴリズムは,非線形変数空間で実行可能領域を再帰的に分割しながら,分割集合上で混合整数線形計画問題に近似した問題を解くことで大域的最適解の所在を絞りこむ.従来のアプローチと異なるのは,分割集合の数による計算爆発を防ぐために,最適解の含まれる見込みがない分割集合を除去するカットを導入した点である.このカットは通常の線形計画問題を解くことによって求めることができる.さらに,より多くの分割集合を棄却するために2値変数の整数性を利用してカットの強化を試み,その有効性を計算実験によって確認した.
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Research Products
(3 results)