2006 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉の役割を有するスマート骨組展開構造物の不安定挙動の回避とその技術開発
Project/Area Number |
17560053
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
有尾 一郎 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (50249827)
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Keywords | 展開構造 / スマート構造 / 分岐解析 / 折り畳み / 構造不安定 |
Research Abstract |
本研究課題は、大変形を伴う展開構造物の効率的な展開方法の開発と、その非線形挙動の解析および不安定挙動を回避する安定的な制御方法の開発を主目的としている。 今年度の研究計画では、その構造不安定化する折畳み展開構造の崩壊パターンを分類するとともに,分岐経路を含む独自の非線形解析プログラムの作成とそのパターンの検証を主として開発することにあった。共同研究者である,ポーランド科学アカデミーの研究グループによる折畳み実験モデルを,数値解析の基本モデルとして,幾何学的非線形性を考慮した微分方程式系の陽解法によるFORTRANプログラムのコーディングを行った。通常の静的な有限要素解析プログラムでは、特異点で多自由度系の不安定挙動は追跡できなくなってしまう問題点を回避させ,前年度に実施した基本構造の制御挙動実験結果を購入したパソコンを用いて、コンピュータ上で可視化再現された崩壊パターンの追跡確認と、計算による挙動経路上のパターンとの照合を行った。 解析の結果,崩壊パターンの類似性と対称基本モデルにおける非対称崩壊モードに移行する安定・不安定釣合い経路も突き止め,その基本系で考えられる全ての崩壊パターンを実験結果と数値計算結果の両面から求めた。また、解析評価として解析と実験との検証では、構造物が多段階に折り畳みを確認し,釣合経路を理論的なアプローチと数値解析的アプローチの両方で検証を行った。関連する国際会議等で情報交換,意見交換や研究発表を行ってきた。特に、ロシア科学アカデミーの研究者らから研究に対して関心と賞賛をいただいたことは,この研究分野に対する本質的な学術的課題とその重要性を改めて理解した。ただ、現時点では接触時の判定条件に関して、汎用的に取扱うために解析プログラムの再構築と修正・改良を行う課題が残った。また,本課題研究の遂行過程で派生したアイデアを工業所有権(申請中)に記載した。
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Research Products
(6 results)