2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560062
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 謙一 千葉大学, 工学部, 助教授 (50114278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 操 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50144879)
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Keywords | クリープ損傷 / 単軸クリープ / スモール・パンチ・クリープ試験 / 試験評価法 / 長寿命化 / 余寿命推定 / コスト削減 / 機械材料・材料力学 |
Research Abstract |
本研究では、クリープ温度域で使用されるプラント機器を安全かつ合理的に運転/保守管理するため、従来から用いられているマクロ的クリープ試験法に加え、新たに超小型ディスク試験片によるミクロ的クリープ試験法(Small Punch Creep試験法:SPC試験法)を開発した。SPC試験法は、超小型ディスク試験片による一種の張出し試験法であり、必要な試験片容量は従来のそれに比して1/10,000程度となる。このため、局所的クリープ強度を評価できるばかりか、サンプル試料採取後の補修が極めて容易となる利点を有する。 まず、国内外の先行研究を参考に、新たなSPC試験機を設計・製作した後、同試験機の基本的性能を調べた。次いで、試作した試験機が所定の実験精度を有することを確認した後、超ジュラルミンを試験材料に、一連のSPC試験を実施した。その結果、SPC試験によるクリープ破断寿命と負荷荷重の関係は、通常の単軸クリープ試験と同様、べき乗則で整理されるとともに、単軸クリープ試験結果とも良い相関が得られた。さらにSPC試験中の変形/破損形態を調べるため、一定温度・一定荷重下で中断試験を幾つか実施した。SPC試験中の変形過程は通常の単軸クリープ試験と同様、遷移、定常、加速の3領域に分類された。また、SEM観察によれば、クリープき裂は、定常域から荷重を負荷するSiC球とディスク試験片が最終的に接触する円環状部分に発生し、伝播することが明らかにされた。最後に、中断試験片の中央切断面を光学顕微鏡で観察した結果、クリープき裂は破断直前まで厚さ方向に進展することが分かった。 次年度はマクロ的クリープ試験法やSPC試験法の他、ナノインデンテーション試験を実施してナノ的強度を評価する。さらに、真空域での実験を可能にして、実用的なフェライト系材料までの適用を試みる。
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