2006 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性樹脂複合材料にある高機能骨組織再生用足場の開発と機能評価
Project/Area Number |
17560070
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日和 千秋 Kobe University, 自然科学研究科, 助手 (80294198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 善一 神戸大学, 工学部, 教授 (90155656)
安達 泰治 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40243323)
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Keywords | 再生医療 / 複合材料 / スカフォールド / 歯科領域 / 歯槽骨の再生 / 生分解樹脂 / 骨組織生成 |
Research Abstract |
本研究は,生分解性樹脂複合材料を用いた高機能スカフォールドを歯科領域に応用することにより,自分の歯を温存できる新しい治療技術の実用化のための技術の確立であり,動物実験や医師による臨床治験などin vivoから得られた知見とスカフォールドに播種した骨芽細胞による骨成形過程と生分解過程などin vitroでの観察結果から,組織再生に最適なスカフォールドの設計指針を得ようとするものである.今年度のin vitroでの研究結果は次のように要約される. ・スカフォールドの作成法の検討 75/25の質量比率のPLAとPGAの共重合体樹脂をPLGAバインダーとしてPLA織物構造体に使用して複合材料を作成しスカフォールドとした.この複合材料の降伏強度はPCL樹脂をバインダーに使用した場合と比較して約3倍に増大した.そしてPLGAバインダーの溶媒に対する最適な濃度は5-7%であることが分かった. ・スカフォールドの骨形成過程の観察と検討 マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1, RikenBRC)を用いた細胞培養実験では,細胞増殖の指標であるDNA量の測定と,骨形成のマーカーであるアルカリフォスファターゼ活性を測定したところ,PLGAバインダーはPCLバインダーと比較してやや小さい値を示したものの大差はなかった. ・スカフォールドの生分解過程の観察と検討 降伏強度の生分解による強度低下は4週間でPCLバインダーと同様の値となった.これはPLGAバインダーの生分解速度が早いことと,PLGAバインダーがスカフォールドのPLA繊維上に膜を形成したためである.また37℃のリン酸緩衝液中での生分解ではPLGAバインダーは120日で完全に分解した.
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Research Products
(7 results)