2007 Fiscal Year Annual Research Report
強い衝撃波透過による部材の力学特性変化と円筒の爆発分裂モデル構築への適用
Project/Area Number |
17560072
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
廣江 哲幸 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90218826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 和人 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50219060)
波多 英寛 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (30381007)
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Keywords | 衝撃波 / 力学特性 / モーメンタムトラップ / 硬度測定 / 小型引張・圧縮試験片 / 材料脆化 |
Research Abstract |
1. 最終年度に当る本年は、既存の円筒爆発破片計測データとGradyの分裂モデルから得られている304SS材とA5052材の分裂エネルギーに対する爆発ひずみ速度の影響について考察するために新たなデータの取得を試みた。まず304SSについては爆薬PETNと供試円板TPの間に緩衝材としての空気層ATを設け、負荷圧縮圧の減少効果を調査した。A5052については、爆薬直接とAT挿入の2種類について実験した。AT厚さは数値解析によって円筒爆発における空気層の周方向圧縮応力緩和効果と同等になるように10mmに設定した。また反転引張波のTPへの入射阻止機能を有するモーメンタムトラップMTとTPの厚さはTPへの残留引張発生に影響を与えるためいくつかの条件の組合せで実施している。 2. 衝撃波通過材から採取したミニチュアTPを用いての引張試験の結果、昨年度実施のA2017を含め全ての衝撃波通過材で引張強度上昇が確認できた。また、延性についてはほとんどの衝撃波通過材は、処女材より脆化したが、SUS304AT付のみは処女材と同等かそれ以上の伸び・絞り値を示していた。また圧縮試験結果、比例限強度σpは、衝撃波強さに比例して上昇していた。代表流れ応力としての20%応力値σ0.2に関しては、SUS304とA5052ではそれぞれ特徴があった。即ちSUS304では、処女材と衝撃波通過材の加工硬化の度合いはほぼ同等であったが、A5052では、処女材は緩やかな加工硬化を示し、衝撃波通過材は、比例限応力に達した後、加工硬化はせず、試験片の応力レベルはほぼ一定だった。 3. 円筒の爆発分裂エネルギー推定について SUS304は、衝撃波が通過することで処女材よりも分裂エネルギーの指標は上昇する傾向にあるが、A5052の場合は下降する傾向にある。円筒の爆発分裂実験の結果と比較すると、大筋同様の傾向を得たといえる。
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Research Products
(4 results)