2005 Fiscal Year Annual Research Report
相成長評価による電子基板鉛フリーはんだ接合部の故障・余寿命診断技術の開発
Project/Area Number |
17560075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
森 孝男 富山県立大学, 工学部, 助教授 (30275078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
于 強 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80242379)
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Keywords | 鉛フリーはんだ / 相成長 / 熱疲労寿命 / 電子基板 / 信頼性 |
Research Abstract |
本研究は、はんだ接合部の組織変化に基づいた熱疲労寿命評価方法を用いて、電子基板はんだ接合部の信頼性向上やリユースによる環境負荷低減に資するごとを目的とするものである。 第1年度として、Sn-Ag系鉛フリーはんだの組織変化に基づいた熱疲労寿命評価方法の精度向上に注力した。小型ラップジョイント試験片を用いて、25℃、75℃、125℃での無負荷試験及び125℃での疲労試験を行い、一定時間ごとに相寸法変化、きれつ発生の有無を観察した。その結果、(1)変位速度0.0139μm/secにおいては,変位振幅(ひずみ振幅)の増加とともに,相成長速度(1サイクル当りの相成長パラメータの増加量)は大きくなること、(2)変位速度1.39μm/secにおいては,サイクル数の小さいときには,変位振幅が小さい方が相成長速度が大きいが,サイクル数の増加とともに,変位振幅が大きいほど相成長速度は大きくなること、(3)変位振幅が同じ場合,変位速度が小さい方が相成長速度が大きいこと、(4)温度による相成長は,100時間程度までは時間に比例して大きくなること、(5)β-Sn相,Ag_3Sn相ともに,ひずみの負荷により,最初に相成長は増加するが200〜300サイクル前後を境に減少しており,相が微細化されることを得た。これらにより、相成長に及ぼす温度やひずみの影響を明らかにするとともに、熱疲労寿命評価方法の精度向上のための基礎データを得るこができた。さらに、ばらつきを含めた評価を今後行うことで、さらなる精度向上が期待できる。 電子基板はんだ接合部のひずみ履歴予測方法の確立、および熱疲労余寿命予測方法の確立に関しては、熱サイクル試験に用いる試験基板の設計を行い、製作中である。製作終了後、熱サイクル試験を速やかに実施する予定である。
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