2005 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造解析に基づいた階層的構造物としての木材の変形特性解析とデーターベース開発
Project/Area Number |
17560081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
辻 知章 中央大学, 理工学部, 教授 (80188531)
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Keywords | 木材 / 構造解析 / 熱応力 / 有限要素法 / シミュレーション / ロール圧延 / 年輪 / 含水率 |
Research Abstract |
研究の初年度として,すでに予備的にスタートしている,マクロレベルの解析および機械的性質の測定実験を中心に行った.特に木材の強度に大きく関連する,"温度"と"含水率"と機械的性質の関連に注目し測定を行った.以下,17年度に行った研究の詳細を列挙する. 1)含水率と弾性係数との関連測定 木材を乾燥する時間を変化させる事により,木材中の含水率をコントロールする.そして,小型の引張試験機により,圧縮試験を行い,含水率と弾性係数との関係を求めた.含水率が30%前後で,木材の細胞内の水分が飽和に達し,それ以上含水率を増加させても,機械的性質に変化が起こらないことが分かった. 2)年輪を考慮したFEM解析 年輪を,晩材部と早材部の2種類の材料からなると考えることによりモデル化し,シミュレーションを行った.晩材,早材部の機械的性質は,マクロな実験値を元に,それぞれの割合から推定する方法を考案した.ロール圧延のシミュレーションの結果,木材を一様であると仮定した結果と比べ,晩材と早材部の境界領域でのせん断ひずみが大きくなり,この部分からの破壊する可能性がある事が分かった. 3)温度との連性を考慮した変形解析 弾性係数や降伏応力の温度依存性を考慮した解析を行った.実際の実験結果との検証を行い,さらに含水率との関連成を考慮した解析が必要であることが分かった. 以上の結果は,機械学会,Thermal Stress 2005等の講演会において発表された.
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Research Products
(2 results)