2006 Fiscal Year Annual Research Report
三次元的に方位制御された短繊維で強化したマイクロ構造物の光造形
Project/Area Number |
17560090
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中本 剛 千葉大学, 工学部, 教授 (30198262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 達夫 千葉大学, 工学部, 助手 (60125911)
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Keywords | マイクロ構造物 / 光造形 / 短繊維 / 配向 / 磁界 / 繊維強化 / 紫外線硬化樹脂 / 磁性酸化鉄 |
Research Abstract |
本研究では,磁界を用いて方位制御した短繊維で強化したマイクロ部品を光造形法によって製作することを目的としている.その方法を以下に述べる.液体の紫外線硬化樹脂と強磁性体の短繊維を混合する.強磁性体の短繊維としては,長さ0.32μm,直径0.04μmの磁性酸化鉄を使用した.この混合物に磁界を印加すると,強磁性体の短繊維の両端は分極し,磁力線の方向に短繊維の長手軸方向が配向する.この状態で混合物の表面上を紫外線レーザービームによって照射して所望の形状に樹脂を硬化させる.以上の工程によって,方向を揃えた短繊維で強化したマイクロ部品を製作することができる.前年度は主に,造形を行う装置を設計,製作し,基礎的な配向実験を行なった.本年度は,製作した装置を用いて以下のような実験を行なった. 本実験装置は三次元的に短繊維を配向することができるように,造形部分を囲むように電磁石が設置されている.電磁石の鉄心には透磁率の高いパーマロイを使用している.磁界を印加すると,磁力線は磁界印加に関与していない電磁石の鉄心を通りやすくなってしまう.このため,造形部分に印加される磁界の値は小さくなり,配向に要する時間が長くなる.一方,実際に造形を行なう場合には,配向時間は短いほうが良い.このため,短繊維として用いた磁性酸化鉄をあらかじめ磁化しておくことによって配向時間を短縮させた.この配向時間を短縮するための条件について検討を行なった. 次に,その内部で短繊維を配向した紫外線硬化樹脂を積層する実験を行った.積層した樹脂の厚さは20μm程度である.現状では,積層数は2であるが,顕微鏡観察により,それぞれの層において,設定した方向に配向していることを確認した.
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Research Products
(4 results)