2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560093
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田村 武夫 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (90115048)
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Keywords | 超硬合金 / ワイヤ放電加工 / 表面欠陥 / ノズル / 流動砥粒研磨 / 酸化処理 / ダイヤフラム |
Research Abstract |
ワイヤ放電加工された超硬合金製ノズル穴内面の表面欠陥を完全に除去するために、「酸化現象を用いた超硬合金放電加工面の表面改質技術と流動砥粒による内面研磨とを結びつけた複合研磨装置の開発」をめざして、以下の項目について研究を実施した。 (1)《超硬合金製微細ノズルの成形》 本研究では、研磨対象として化繊ノズルなどに使われている十字形状のノズル(長さ6mmx幅約0.3mm)を選定し、それをワイヤ放電加工により成形した。ここではセカンドカットまで行い、ノズル穴内面の表面粗さを最大高さRy約6μmに仕上げた。しかし、ノズル穴内面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、クラックや微小穴などの表面欠陥が数多く存在していた。 (2)《流動砥粒研磨によるノズル穴内面の準鏡面化》 ワイヤ放電加工後、酸化処理によってノズル穴内面に形成された酸化層は、流動砥粒による内面研磨により除去された。その後、ノズル穴内面をSEMで観察した結果、クラックなどの表面欠陥がない健全な炭化タングステン粒子群に改質されていた。次に、GC#280を用いてノズルを20分研磨した結果、ノズル穴内面の表面粗さはRy2μmとなり、ワイヤ放電加工したままの状態よりも大幅に改善された。しかし、目標である準鏡面状態のRy1μmを達成するに至っていない。 (3)《流体圧送機構の開発》 流動砥粒を用いてノズル穴内面を研磨する装置では、研磨材はノズル穴のみを往復運動し、ピストン-シリンダ系へ流入しないことが望まれる。現状、#400(粒径50μm程度)の砥粒を用いた時、シリンダ内への砥粒の流入を防ぐことができていた。しかし今後、より微細なノズル穴への適用やノズル穴内面を準鏡面状態に仕上げることを想定している。そこで、ピストン-シリンダ系のように摺動部分をもたない構造であるダイヤフラム式流体圧送機構を開発した。
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Research Products
(1 results)