2005 Fiscal Year Annual Research Report
脆性材料の超精密切削過程のセンサーフュージョンによる状態監視と最適化制御
Project/Area Number |
17560099
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
近藤 英二 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10183352)
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 精密部品加工 / モニタリング / 超精密切削加工 / 脆性材料 / ダイヤモンド工具 / 工具摩耗 / 単結晶シリコン |
Research Abstract |
レンズは研削により加工が行われてきたが、研削加工は研削砥石自身を摩滅しながら工作物を加工するため原理的に高い形状精度が得難く、加工精度の限界が問題になってきている。一方、ダイヤモンド工具を用いた脆性材料の超精密切削加工では、工具の切込み量をある限界以下にすると延性モード加工が可能となるが、一般にこの臨界切込み量は非常に小さく、また不安定である。従って、常に延性モードとなる切削条件を設定した場合、加工能率は極めて低くなる。また、脆性材料は非常に硬いため、ダイヤモンド工具は欠損し易く、加工不良の原因となる。そこで、本研究は脆性材料を安定的に高能率で加工するための最適化適応制御の方法を確立することを最終的な目的とし、単結晶シリコンを超精密切削したときの切削抵抗、AE信号と脆性・延性モードとの関係、切削条件と脆性・延性モードとの関係、損耗した工具での切削抵抗、AE信号と脆性・延性モードとの関係、切削条件と脆性・延性モードとの関係を系統的に調べ、以下の結果を得た。(1)工具切込みがd=0.1μm、送りがf=30μm/revのとき、切削方向によって切削モードが約1/4回転周期で変化し、切削方向がφ=0,90,180,270°のとき脆性モード切削、その他の切削方向では延性モード切削であった。(2)微小送り切削では送り量により切削状態は脆性モードと延性モードに分かれ、脆性モード切削では切削分力比(背分力/主分力)は小さくなり、逆に延性モード切削では大きくなった。(3)微小切込み切削を行なった場合、脆性モード切削の場合AE信号のRMS値は大きくなり、切削分力比(背分力/主分力)は小さい値になった。延性モード切削の場合、逆の傾向を示した。(4)摩耗した工具を使用した場合、臨界切込み量は大きくなり、また切削分力比(背分力/主分力)は大きくなった。
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Research Products
(1 results)