2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560104
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Research Institution | SHIBAURA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
柴田 順二 芝浦工業大学, 専門職大学院工学マネジメント研究科, 教授 (30052822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 正人 芝浦工業大学, 工学部応用化学科, 助教授 (50052874)
植木 忠博 芝浦工業大学, 工学部応用化学科, 講師 (50052890)
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Keywords | CMP / 研磨パット / 表面トポグラフィ / 微小変形 / 実接触面積 / ポリウレタン |
Research Abstract |
CMP作用の主要な3因子は次のとおりである: (1)研磨スラリー(研磨材と溶液) (2)研磨盤と研磨条件(研磨圧力、研磨速度、研磨運動の方向・軌跡) (3)研磨パット(材質、表面性状と密度、繊維の太さや織り、剛性と硬度、その他) 従来、CMP特性は主として、(1)と(2)の観点から追究されて来たが、(3)の観点についての具体的研究はほとんどなされて来なかった。しかし、CMP作用はパットとワーク間の接触によって生じることを考えると、この両者の接点数、実接触面積を支配するパットの物理的、機械的材料特性とその評価基準は、CMP現象・特性を支配する有力な因子であることは、十分推測できるし、むしろCMP解明の前提であったかもしれない。このような背景から、本研究プロジェクトが開始された。その初年度(平成17年度)には、主として研磨パットの接触変形特性について追究すると共に、研磨パットの表面観察や表面トポグラフィ測定の方法論の検討と予備的測定を行った。 本年度(平成18年度)は、研磨パット表面トポグラフィの測定と分析に注力した。その結果、以下の所見を得た。 (1)研磨パッドトポグラフィの分析 ポリウレタンパットの作用面をレーザ顕微鏡やSTMなどにより観察し、その構造的、性状的特性を把握した。パットの作用面にはランドとボアが分布し、ワークとの実接触はランド部で生じるという接触モデルを前提にすると、実接触面は高々数十%に過ぎないことが推定される。この作業面性状を、ドレッシング直後と摩耗後について比較した結果、ドレッシング効果のメカニズムが推察でき、研磨パット表面管理の一つの指針になるものと考えている。なお、ドレッシングとパット表面トポグラフィの関連をより定量的に評価する目的で、レーザ顕微鏡による3次元トポグラフィ測定を試みた。そのため、この測定データを3D表示できる解析ソフトを開発し、データの解析に供した。この解析手法を用いて、加圧変化に伴い変化する実接触面積のシミュレーションに十分利用できる見通しを得ることができ、今後、CMP現象分析の定量化に役立つものと期待している。 (2)研磨パット接触点の変形挙動に関する考察 昨年度に引き続き、変位型マイクロインデンテーション硬度計を用いて、パットのミクロな変形特性を測定し、ワークとパットのミクロなジャンクションの変形挙動について考察した。パットの接触機構として弾性モデルは適切ではなく、ヒステリシスモデル導入の必要性を確認できた。
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