2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマンフレンドリーな人工関節用ライナーの創製に関する研究
Project/Area Number |
17560106
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
新谷 一博 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80139758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼氏 歩 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00303305)
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Keywords | 人工関節 / ライナー / 衝撃緩和 / マイクロセルラー / 摩擦・摩耗 |
Research Abstract |
現在、人工股関節システムにおいてはステム部分を支える骨頭やライナーは従来の形状がそのまま使用されており、人工関節の寿命による抜き替えの最大の原因は超高分子ポリエチレン(U.H.M.W.P.E.)ライナーの損傷が原因と言われている。この点を改善しライナーの長寿命化を図るため、本年度は特にライナーには本来軟骨としての骨頭を衝撃から守る役割も必要とされることから、衝撃緩和特性の向上とライナー自身の個々の患部の適合した形状のものの供給に関する研究を実施した。 衝撃緩和特性の緩和についてはU.H.M.W.P.E発泡ライナーの作成評価試験を実施し、ガス供給装置と圧力容器での加圧、セル核を成長させる加熱装置での発泡、そしてセルの成長を制御する冷却装置による冷却を経て、物理的発泡剤であるCO_2を超臨界状態のもとで試料に含浸させたセル核を超高分子ポリエチレンライナー内部に形成することが可能となった。これを用いてU.H.M.W.P.E.発泡材料を作成し錘落下方式で発泡材料に骨頭形状のボールで衝撃を加え、発泡体が有する衝撃緩和特性について検討した結果、最大衝撃力と塑性変形量は反比例の関係にあり、衝撃緩和、塑性変形の観点から体積率80%が最も満足した結果が得られた。このとき、体積率80%におけるスキン層形成時間20分で作成したライナーは目標とする1mm前後のスキン層を得ることができ、衝撃緩和率は15%、塑性変形量は310μmであった。また、表面に未発泡の層を残すスキン層の形成、もしくはそれに相当する未発泡体との複合化が、変形抵抗率の改善に対して非常に有益であることが明らかとなった。一方患者個々のサイズ・形状に合ったライナーの製作についてはCT画像情報を元にした患部形状データとCADデータの作成までは完了しているが、実際の製作には至っていない。
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Research Products
(5 results)