2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ加工・計測のための気圧管理可能な環境一定制御チャンバーの実用化
Project/Area Number |
17560112
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Research Institution | Technology Research Institute of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
山口 勝己 大阪府立産業技術総合研究所, 機械金属部, 主任研究員 (40359360)
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Keywords | 環境補償 / 環境-定制御チャンバー / レーザ干渉測長器 / 超精密加工 / 気圧 / 温度 / 湿度 / 位置決め精度 |
Research Abstract |
実用化の目標『環境変化の影響による形状誤差をPV値で100nm以下に安定して抑止する』を達成するためには、環境-定制御チャンバーは、目標仕様(圧力精度:±0.2hPa以内、温度精度:±0.1℃以内、湿度精度:±2%以内)を加工機稼動中においてもクリアし、形状誤差等の測定によって100nm以下を実証する必要がある。本年度は、下記に示す3つの研究項目を進めた。 1.工具-工作物間の相対変位測定による環境補償効果の実証試験 環境変化にともなうレーザ測長誤差は、加工機上の工具-工作物間の相対変位に現れ、最終的に加工面へと転写される。このため、相対変位の実測よりチャンバーの環境補償効果の定量化を行うとともに、相対変位量と環境制御精度との関係を解明した。72時間に亘る長時間測定を実施した結果、相対変位でPV=109nmを得た。(ほぼ目標値をクリア出来た。) 2.環境-定制御チャンバーの最適化と改造 相対変位量と環境制御精度との関係を指針とし、相対変位測定を進めながらチャンバー制御系の最適化を目標に、環境センサーの位置、PID制御パラーメータのチューニングを実施した。 3.モデル加工実験による環境補償効果の検証と環境-定制御チャンバーの総合的評価 環境-定制御チャンバーの補償効果の有効性(形状精度100nm以内)を検証するため、単結晶ダイヤモンド工具を用いたフライカット加工を実施し、加工後の形状精度評価を、高精度レーザ干渉計で評価した。約10時間の切削実験時の形状精度は、PV=75nmであり100nmを下回る好結果であった。
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Research Products
(4 results)