2005 Fiscal Year Annual Research Report
超微細テキスチャリングによる耐摩耗硬質皮膜のナノ摩擦低減制御法の確立
Project/Area Number |
17560118
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
本田 知己 福井大学, 工学部, 助教授 (80251982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 教授 (40115291)
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Keywords | トライボロジー / 走査プローブ顕微鏡 / テキスチャリング / 低摩擦 / 硬質皮膜 |
Research Abstract |
ナノ・マイクロトライボロジーの分野において未だ解決されていない「耐摩耗性と摩擦力の極小化」の両特性を併せ持つ機能性表面の創成と,低摩擦発現メカニズムの解明及びその制御パラメータの確立を目指す.平成17年度は,フェムト秒レーザによる超微細テキスチャリングと環境制御下での凝着力測定に主な課題とし,以下の研究を行った. (1)耐摩耗硬質皮膜の成膜条件の確立 できるだけマクロパーティクルが少なく平滑かつ耐摩耗性を有する硬質皮膜(例えば,CrN, CrN+TiO2,TiNなど)を成膜するための条件を確立し,成膜条件を制御して機械的特性の異なる数種類の硬質皮膜を製作した. (2)フェムト秒レーザによる超微細テキスチャリング(微細表面構造制御加工) 成膜した耐摩耗性を有する硬質皮膜に対して,フェムト秒レーザによる表面処理を行うことにより,微細に構造制御した皮膜表面を創製した.また,表面構造を制御するためのレーザ照射条件を各種試行した. (3)超微小硬さ試験機とスクラッチ試験機による硬質皮膜の機械的特性評価 数種類の硬質皮膜について,基本的な機械的特性を測定するとともに,スクラッチ試験時の摩耗痕からそれらの破壊形態と破壊メカニズムについて考察し,成膜条件へフィードバックした. (4)ペルチェ素子を利用した微小液滴凝集法の開発 ペルチェ素子を利用して接触角測定に用いる液滴を従来よりも小さくする手法を試行した. (5)ペルチェ素子を利用した独自のAFM用試料ステージの開発 表面上の雰囲気気体の凝集を急速な冷却・加熱によって制御できる試料ステージを試作した. (6)各種環境中での凝着力の測定 既存設備である雰囲気制御型AFMを用いて,真空中や相対湿度を変化させた大気中での凝着力の測定を行い,接触角と凝着力との相関関係について調べた.特に,探針の曲率半径が異なるガラス球探針を使用し,凝着力の変化について詳細に検討し,その影響について考察した.
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Research Products
(2 results)