2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオンスパッタリング金属膜による機械要素の疲労き裂発生の検知とき裂長さの測定
Project/Area Number |
17560123
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
とう 鋼 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90237040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 勉 宮崎大学, 工学部, 教授 (40038055)
前田 幸治 宮崎大学, 工学部, 助教授 (50219268)
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Keywords | き裂長さ測定 / き裂検出 / イオンスパッタ膜 |
Research Abstract |
平成17年度の計画にしたがって実施した結果,以下の成果が得られた. 1.イオンスパッタリング金属膜によるき裂長さ測定法を金属試験片に適用するための絶縁膜をイオン蒸着法を用いて作成することを試みた.絶縁膜用の材料には当初計画のシリコンと,絶縁性や蒸発しやすさを考慮して石炭火力発電所の副産物であるフライアッシュガラスの2種類を用いた.それらの材料で作成した絶縁膜の絶縁性を確認し,イオンスパッタリング金属膜と金属表面との間の絶縁膜として用いられることを確認した.また,絶縁膜の作成のため,絶縁膜の厚さはイオン蒸着時の電流や蒸着時間および蒸着材の充填量との関係を把握できた. 2.金属製三点曲げ試験片表面に絶縁膜を作成し,その上にイオンスパッタリング法で金属膜を作成することに成功した.その試験片を三点曲げ疲労実験に用いてき裂の進展にともなう金属膜の電気抵抗の変化を記録することができ,イオンスパッタリング金属膜の金属製試験片のき裂長さ測定への適用の可能性を確認した.これまで得られた研究成果を機械学会論文集に投稿して掲載され,また,平成18年7月にギリシャで開かれる破壊力学・実験力学分野の国際会議で発表する予定である. 3.金属膜の電気抵抗と金属膜のき裂長さとの関係を電磁場解析ができる有限要素解析ソフトANSYS(今年度新規購入)と構造解析用有限要素解析ソフトMARCを用いて解析した.その結果,金属膜のき裂長さと電気抵抗との関係を明らかにし,き裂を含む金属膜の電気抵抗を推定する方法を確立した.さらに,き裂長さは金属の膜の幅の0.7倍以内の場合,有限要素法の解析結果に基づき,金属膜の電気抵抗からき裂長さを推定する簡単な近似式を提案し,き裂長さの推定値と光学顕微鏡で測定したき裂長さと比較して,近似式の正確さを確認した.
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Research Products
(1 results)