2005 Fiscal Year Annual Research Report
流体力学的手法による固液界面電気二重層厚さ測定法の開発
Project/Area Number |
17560143
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鬼頭 修己 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10093022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛島 達夫 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50314076)
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Keywords | 電気浸透流 / 電気二重層 / 温度計測 / 流体摩擦熱 / 伝熱 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は,電気二重層の厚さを測定するための実験装置の設計・製作とその特性の把握である.本年度はこの計画に沿って,以下の事項について実施した. 1.マイクロチャンネルを形成する2枚のガラス板の平行度を,新たにナトリウムランプを用いたニュートンフリンジ法によりほぼ完全に平行に設定できることを確認.これにより,二枚のガラス板を任意の間隔(1□精度で設定)で平行に設定することが可能となった. 2.マイクロチャンネルからの流出流れの温度分布を精密に測定するための装置の改良・設計製作を行った.具体的には, ・精密温度計の移動装置(精度1□mの精度) ・温度計の位置確認のための2次元顕微鏡システム これにより,温度計を所定の位置に精密にトラバースすることが可能であることを確認した. 3.精密温度計の設計・製作,性能評価 精密温度計の基本設計を行った.仕様は,温度に関し0.01℃の分解能,空間的に数ミクロンの分解能を持つものとした.温度センサーは直径1□mのウォラストン線(白金・ロジューム合金)を採用した.問題点として,温度計を水中に入れる際に現れる表面張力により温度センサーが変形.切断することが多く現れるため,その対策をプローブの設計変更が必要である.このための考察・改良実験を進めているところである.この温度計に組み込むブリッジ回路として,精密定電流源回路を作成しブリッジからの電気信号を精密増幅器により増幅後PCに取り込むシステムを作成した.現在,この温度計システムの性能評価を進めている.問題点として,電気雑音が以外に大きく,測定温度の分解能が0.1℃に留まっているため機器の調整・設計変更等を行っている. 4.改良した電気浸透流発生装置の特性の追試 改良した新しい実験装置の基本性能の追試をおこなって,これまでと同等の特性が得られるか確認した.具体的には,印加電圧対電気浸透流流量特性である.流量測定について,これまでの流量計の問題点(設計の不備による理論との不一致)を解決し,正確に流量を測定できることを確認した.この結果,電気浸透流の特性が装置改良後も同じ結果が得られることを確認した.
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