2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560147
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大和田 拓 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40223987)
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Keywords | ナヴィエ・ストークス方程式 / BGK方程式 / ハイブリッド解法 / 気体論スキーム / 非圧縮 / 格子ボルツマン法 / 擬似圧縮性法 |
Research Abstract |
本研究では、まず圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の気体論的スキームとBGK方程式の差分法を組み合わせたハイブリッド解法の開発を行った。二次元ソニックジェット問題を取り上げ、ノズル近傍では圧縮性ナヴィエ・ストークスを用い、その外部領域ではBGK方程式を用いるハイブリッド解法で、定常状態に達するまでの時間発展を数値解析した。全領域をBGK方程式で解析することはジェットの高圧部における計算コストが高くなりすぎて困難(実質的に不可能)であるが、高圧部をナヴィエ・ストークスで解析することでこのような数値解析が可能になった。流体力学と気体論の方程式の解の接合は非定常の場合でも問題なく行えることが確認された。ただし、ジェットの先端が接合面を通貨する際にはその間だけBGKスキームの空間精度を二次から一次に落とすという工夫が必要である。この研究成果は国際会議(第3回ICMMES)および米国航空宇宙研究所のセミナーにおいて口頭発表された。上記研究に引き続いて、本研究では非圧縮ナヴィエ・ストークスの気体論的解法の考察も行った。圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の気体論スキームを低マッハ数の場合に対して適用して非圧縮の場合の近似解を求めることも可能であるが、ここではさらに簡便な解法を研究した。この研究テーマに関しては現在でも格子ボルツマン法の漸近解に基づく差分法の開発および擬似圧縮性法の拡張の二系統の研究が進行中である。特に擬似圧縮性法の研究では大きな進展が期待できる。この解法は定常問題において有効とみなされているが、系統的な漸近解析によって非定常の場合にも正しい結果を与えることがわかった。さらに誤差の挙動解析より誤差の主要部を打ち消す計算法も導かれ、周期境界条件の問題においてその有効性は数値的に実証された。
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Research Products
(1 results)