2006 Fiscal Year Annual Research Report
伝熱促進用フィン群から成る粗面の乱流特性の解明と抗力低減
Project/Area Number |
17560156
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
濱川 洋充 大分大学, 工学部, 助教授 (30243893)
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Keywords | 流体工学 / 廃熱利用 / 抵抗低減 / カルマン渦 / フィン |
Research Abstract |
本研究は,排熱エネルギーを極限変換効率で回収するため,伝熱性能を維持したまま流動抵抗のみを低減させる新しい技術を開発することを目的とする.本年度は,ソリッドフィンとセレイティッドフィンの2種類のフィンに対して,流動抵抗の発生原因と伝熱特性改善のメカニズムを明らかにするため,管軸方向のフィンのピッチを変化させ,伝熱管周りの流れを可視化した.その結果,以下の結論を得た. 1.ソリッドフィンにおいてピッチが大きい場合には,フィンは伝熱管の表面上で案内羽根として機能しており,管表面上の流れを偏向させる性質がある.ピッチが小さくなると,フィンの主流に対する角度が小さく,流れの偏向は小さくなる.フィン部で流れがはく離していないため,フィンによる流動抵抗の増加は少ない. 2.セレイティッドフィンにおいてピッチが大きい場合には,フィン先端の微小突起において流れがはく離するものの,フィンはソリッドフィンと同様に伝熱管の表面上で案内羽根として機能しており,管表面上の流れを偏向させる性質がある.フィン先端の微小突起において流れがはく離するため,ソリッドフィンと比べ流動抵抗は増加し,フィン表面と主流とが接触し難いため,伝熱性能は低下する可能性がある. 3.セレイティッドフィンにおいてピッチが小さくなると,若干ひねりを加えられた微小突起の傾斜により流れが大きく偏向する.フィンの案内羽根としての効果は,螺旋に起因するフィン本体の流れに対する傾斜よりも,先端の微小突起の傾斜の方が支配的である.伝熱特性が向上する原因は,乱れの増加だけでなく,管表面から流れがはく離するまでの流体と管表面およびフィンとの接触距離が長くなるためと考えられる.流れの偏向が大きいため,ソリッドフィンと比べ流動抵抗は増加する.
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Research Products
(6 results)