2005 Fiscal Year Annual Research Report
ディスク型SOFCを模擬した平行円板流路におけるガス流動の最適化
Project/Area Number |
17560161
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
角田 和巳 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (70255644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末包 哲也 東京工業大学, 炭素循環エネルギー研究センター, 助教授 (30262314)
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Keywords | 固体酸化物型燃料電池 / ディスク型SOFC / 放射状流れ / PIV / 逆流 / はく離流れ / 低レイノルズ数 |
Research Abstract |
固体酸化物型燃料電池(SOFC)の一種であるディスク型SOFCを対象として,平行円板間に生じる放射状ガス流動の特性について検証を行なった.SOFC内の空気および燃料の流動は,電気化学反応を伴う800℃程度の高温場で行われるため,実際の運転条件下で流動状態の詳細を計測することは困難である.したがって本研究では,実機と同規模の流路形状に対して力学的に相似な流れ場を再現し,その流動特性のみに着目して,円板間放射状流れの特徴を実験的に調べた.流れ場の計測には粒子画像流速計(PIV)を適用し,円板に平行な面内と垂直な面内の速度ベクトルを,異なる流量のもとで取得した. 燃料の流れを模擬した実験では,主流部の流れは下流に向けて徐々に減速されるものの,放射状流れの流動形態を維持していることが確かめられた.しかし壁面付近では,流量の増加に伴って周方向の不均一性が強くなり,局所的に増速される領域が現れた.これらの現象は,壁面と流体との接触面積の変化に伴う粘性効果の増減と,流量変化に伴う慣性力の増減とのバランスで定まるものと考えられるが,本実験条件下では,レイノルズ数が約4〜7の範囲において,最も一様な流れ場が得られた. また,空気流路内の流れを模擬した実験では,流量の増加によって円板流路の中心付近に逆流の存在が観察された.空気流路と燃料流路では,流路構造の違いにより流入状態が異なるため,燃料の流れを模擬した実験では測定されなかった逆流域が出現したと考えられる.ディスク型SOFCでは,流路中心部から発電反応が開始されるため,この領域で均質な流れを実現することは重要である.したがって,燃料電池に供給する空気の流れとしては,可能な限り低流量に設定した運転を行ない,流速の不均一を抑制することが必要である.
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Research Products
(2 results)