2005 Fiscal Year Annual Research Report
沸騰伝熱利用による電子素子の除熱機器の高度化に関する研究
Project/Area Number |
17560167
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
神永 文人 茨城大学, 工学部, 教授 (80114015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 邦仁 茨城大学, 工学部, 講師 (00291287)
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Keywords | 沸騰 / 電子素子 / 除熱 / 熱伝達 / 伝熱促進 / 狭隘流路 |
Research Abstract |
本研究は、高発熱の電子デバイスの熱制御法の高度化を目指して、熱伝達率が大きい沸騰熱伝達を熱制御に利用するための基礎的知見を得ることを目的としている。特に、実機の熱制御条件を考慮し、狭隘流路および低流量という条件で、今後予想される高熱負荷と環境問題を考慮し、作動流体として水を利用した熱制御法を対象とした。 本年度は、大別して2つの研究を行った。第一は、これまでの内径1.45mmと0.9mmの細い円管による実験データを再整理し、圧力損失特性、沸騰熱伝達特性と限界付近での壁面温度変動特性を調べた。その結果、温度変動から伝熱限界が伝熱面の乾き期間が短縮されることで生じ、従来の通常サイズの円管で得られた知見と類似していることを明らかにした。さらに、低流量で沸騰を伴う円管流路に対する圧力損失および熱伝達率の設計相関式を導出した。ただし、両方の管に適用可能な相関式は導出できず、次年度の課題として残った。第二は、扁平矩形流路を持つテストセクションの製作ならびにそのテストセクションを用いた実験の実施とデータ取得である。幅20mm、高さ1.0mmと1.5mmの2種類、加熱長さ40mm(流路長さ80mm)の扁平矩形流路を持つ2つのテストセクションを製作し、循環ループおよび測定装置の設置を行った。本年度は高さ1.0mmのテストセクションを用い、10〜40kg/m^2sの質量速度範囲で実験を行った。その結果、一面のみしか伝熱面でない矩形流路の圧力損失特性と限界伝熱量は、周りがすべて伝熱面となる円管と特性が異なることが明らかとなった。ただし、沸騰熱伝達率の相違は小さいことも示された。また、質量速度が30kg/m^2s以上では、今回製作した伝熱面では、伝熱限界に達しないことも明らかとなり、加熱方法が次年度の課題として残った。
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