2006 Fiscal Year Annual Research Report
パラフィン蓄冷材微粒子群の冷水による混相流輸送特性と輸送限界
Project/Area Number |
17560170
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菱田 誠 千葉大学, 工学部, 教授 (10291296)
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Keywords | 熱エネルギー輸送 / 熱エネルギー貯蔵 / 混相流 / パラフィン蓄熱材 |
Research Abstract |
本研究は,「省エネルギー・コンパクト型空調用冷熱貯蔵・輸送システム」の技術的成立性と省エネルギー効果を検討する上で最も重要な技術データの一つである「パラフィン蓄冷材微粒子群の冷水による混相流輸送特性と輸送限界」を明らかにすることであり,蓄冷剤であるパラフィン粒子群を冷水により混層流輸送する際の流動様式,管摩擦係数,流路閉塞条件等を実験的に調べることを目的としている. 本年度は,主として,実験装置を改造し,垂直上昇流及び垂直下降流の流動様式,管摩擦係数とフルード数及び粒子濃度との関係を調べた. (1)実験装置の改造と実験条件:実験装置は,水槽,混相流運搬用ボルテックスポンプ,流量・粒子濃度調節系,試験管路,圧力損失測定部,流量・粒子濃度測定部等から構成されている.本年度は,試験管路として垂直上昇管と垂直下降管の製作と取り付けを行った.平均粒径が3.7mmのノナデカン粒子を水流中に混入し,平均流速を0.2〜3.0m/s,フルード数を0.5〜7,粒子の体積濃度を0〜26%の範囲に変化させて実験を行った. (2)混相流の流動様式と平均流速との関係: 混相流の流動様式は上昇流,下降流とも流速や粒子濃度に依存せず,粒子が分散して流れる「分散流」であった.また,本年度に行った実験条件下では流路閉塞は認められなかった. (3)管摩擦係数とフルード数及び粒子濃度との関係 管摩擦係数は水平流<垂直上昇流<垂直下降流の順に大きくなることが分かった.いずれの管においても,管摩擦係数はフルード数の上昇とともに減少する.フルード数が小さな場合の管摩擦係数は粒子濃度の上昇と共に増加するが,フルード数が大きな領域では,垂直下降流では粒子濃度の増加とともに管摩擦係数は僅かに上昇する傾向が見られたが,垂直上昇流と水平流では粒子濃度の影響をほとんど受けずほぼ一定値となることが分かった.
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Research Products
(2 results)