2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒートシンク利用伝熱制御によるCO2レーザー樹脂突合せ溶着法の研究
Project/Area Number |
17560175
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
黒崎 晏夫 電気通信大学, 共同研究センター, 客員教授 (70016442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 公俊 広島工業大学, 工学部, 講師 (80313419)
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Keywords | ヒートシンク / CO2レーザー / 樹脂接合 / 赤外線透過財 / 表面冷却 |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが伝熱工学的観点から開発した「ヒートシンク利用伝熱制御によるCO2レーザーのプラスチック重ね合わせ溶着技術」の溶着原理を発展させて同種のプラスチック材の突合せ溶着技術の開発することを目的としている。 本研究に重要な事項は、(1)プラスチックはCO2レーザー光に対して吸収が強い、(2)プラスチックの熱伝導率が非常に小さい、(3)熱伝導率が非常に大きくしかもCO2レーザー光に対して透明であるヒートシンク(ZnSe, ZnSなど)配置してプラスチック表面を冷却する、(4)プラスチック材料内部では放射ろ熱伝導の共存過程であり、伝熱工学的観点から開発される独創的な実用化技術である。そのために、突合せ面制御などを伝熱工学的観点から理論・実験的研究を行った。 その結果において、対象モデルでの熱移動の数値解析により、まず、固定したヒートシンク材の冷却効果は、樹脂材の温度上昇を表面近傍の降下に有効であるが、相対的に多量の熱を樹脂材から奪うことになり、樹脂材の深部までバランスよく加熱することができず、照射時間・強度では適切な温度分布を実現できない結果を得た。そこで、一定時間ヒートシンクを設置・照射した後に引き続き、ヒートシンクを離脱させ、直接樹脂材にレーザーを照射するモデルを検討した。その結果、ヒートシンク設置時に冷却され過ぎていた樹脂材表面近傍の温度上昇をヒートシンク離脱後の直接加熱で促進できた。さらにこのヒートシンクの設置・離脱をパルス的に行う事で、樹脂材の表面の熱を大きく奪いつつ、比較的短時間の直接照射で樹脂材加熱を底上げし、これを数回繰り返して、樹脂材に、表面を熱分解温度に達せずに、深部まで溶融温度に上昇させることが可能である事を見いだした。この数値解析の予測を元に、実験により本手法の妥当性を確認した。
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Research Products
(3 results)