2006 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波管応用による低レベルエネルギー水蒸気改質型水素製造法の開発
Project/Area Number |
17560176
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
坪井 孝夫 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (70017937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 一洋 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (20251754)
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Keywords | 衝撃波管 / 水蒸気 / 水素製造 / 水性ガス反応 / 炭素粒子 |
Research Abstract |
前年度において,衝撃波管を用いた高温反応を利用し炭素粒子と水蒸気混合から水素ガス製造の可能性とその収率を求めた.本年度においては更に多くの水素収率が得られる事を期待し,特に実験条件を考慮して高級炭化水素に正オクタンを選択し,高温熱分解により生じる水素とエチレンを前年度の設備備品で購入したガスクロマトグラフ装置で観測した.混合気中には実験条件により,衝撃波管高圧側に使用されているヘリウムガスが検査気体中に大量に混入しており,水素とヘリウムを分離するカラムを新たに選定し,製造された水素の分離測定を行った.その成果は (1)圧側にヘリウムを用いた場合,圧縮圧力は強くなり,ヘリウムの使用量を減らせるが,反射衝撃波と接触面の交差はアンダーテイラード状態になり,高温の持続時間は短くなる.一方窒素を用いた場合はヘリウムと比較すると,衝撃力は弱くなり,窒素使用量は増加するがオーバーテイラードが形成され,反射衝撃波背後に,更に高温が形成され,高温の持続時間もかなり長くなる.これらの効果のため,反射衝撃波温度T_5で代表した正オクタンに対する水素の収率x=n(H_2)/n(C_8H_<18>)はT_5=1500Kにおいて,窒素使用の場合x=1程となり,ヘリウム使用ではその1/10程であった.反射衝撃波温度T_5で代表した収率の温度依存性はいずれの場合もアレニウス表現で70-80KJ/molであった. (2)T_5=2000K以下,正オクタン=1-2,5%の本実験条件下で,収率は原料の正オクタン濃度に比例した.2000K以下では酸素を微混合し,一部発熱反応を起こさせた方が水素の収率は高くなる. (3)エチレン収率は1500-2000Kで高く,これより低温でも高温でも低くなった. 以上の成果により,低エネルギーレベルの熱源を利用した衝撃波管による高級炭化水素の水素生成の工業的可能性を確認した.
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