2005 Fiscal Year Annual Research Report
低コスト・低環境負荷の二酸化炭素回収・固定化システム
Project/Area Number |
17560178
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
瀧本 昭 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20019780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 幸生 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20179708)
大西 元 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (80334762)
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Keywords | 環境技術 / 熱工学 / 二酸化炭素排出削減 / 回収・固定化 / システム |
Research Abstract |
21世紀,「持続可能な発展」に向けた地球環境問題への対策は最重要課題であり,特に地球温暖化対策の京都議定書の目標達成のため,二酸化炭素の排出量の削減と回収固定技術の開発が緊急となっている. 本研究は年間に排出される二酸化炭素の70億トン-Cの約25%を占める一次エネルギーの燃焼排ガスや製鉄所・セメント工場からなどの集中発生源を対象に,ゼオライト微粒子を核とした凝縮性気体のミスト化を利用した低コストで低環境負荷かつ高効率な二酸化炭素回収・固定化システムの開発を目的とする. 具体的には,燃焼高温排ガスから乾式電気集塵機によりフライアッシュを除去し,この産業廃棄物を人工ゼオライト微粒子にして湿式電気集塵機に再投入し二酸化炭素を吸着するとともにこれを核としてミスト化し,凝縮液として低環境負荷で高効率に回収する.大量の二酸化炭素とゼオライト微粒子を含む回収液を脱硫装置からの排出物を凝固剤として活用しゼオライト液を固化し二酸化炭素ガスを閉じこめたエコブロックを成形し,海中に魚礁として有効利用する極めて低コスト・省エネを特徴とするCO_2回収・固定化システムシステムの実用化を目指すものである. 研究者らのこれまでおよび本年度の研究成果として, (1)二酸化炭素ガスの分離回収:排ガスを冷却面に接触させる凝縮液膜法,炭酸カリウム微粒子を気流中に添加した溶液凝縮液膜法,さらに二酸化炭素の優れた吸着能をもつゼオライト微粒子を添加したミスト化ゼオライト凝縮法の新方式が提案され,理論的・実験的追究によりガス吸収の促進効果と二酸化炭素の回収法の有効性が明らかにされた. (2)二酸化炭素の固定:排ガス中にゼオライト微粒子を添加し,排熱回収による冷却によって凝縮およびゼオライトを核としてミスト滴を生成し,同時に二酸化炭素ガスを吸収させた凝縮液およびミスト滴の回収液を固化することで二酸化炭素を固定化する新方式が提案され,ゼオライトブロック体の形成によるCO_2の回収・固定化の有効性を明らかにするとともに海洋固定のための基礎的知見がえられた.
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Research Products
(1 results)