2005 Fiscal Year Annual Research Report
溶射コーティングによる壁面濡れ性の改善と沸騰伝熱促進に関する基礎研究
Project/Area Number |
17560187
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浅野 等 神戸大学, 工学部, 助教授 (10260647)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 信幸 神戸大学, 工学部, 教授 (50171658)
|
Keywords | 伝熱促進 / 核沸騰熱伝達 / 溶射皮膜 / プール沸騰 / 強制対流沸騰 / 沸騰開始過熱度 / ボイド率 |
Research Abstract |
本研究は,溶射皮膜による沸騰伝熱促進に関する研究である.プラズマ溶射法で銅粒子を溶射した伝熱面(皮膜厚さ340mm)で最も高い伝熱促進効果が得られたが,熱伝達性能は加熱履歴の影響を強く受け,沸騰初期に高い壁面過熱度を与えることで熱伝達率が向上する結果を得た.一方,平成17年1月に実施した航空機の放物線飛行を利用した微小重力環境下でのプール沸騰実験の分析結果から,溶射皮膜面の沸騰熱伝達は重力の影響を強く受け,対流が強くなる過重力では気泡核の消滅により熱伝達率が劣化した.この傾向は,沸騰気泡核が生成されやすい伝熱面ほど顕著であった.これらの結果から,溶射で付着した粒子の表面に存在する微細なキャビティが沸騰気泡核の形成に寄与していること,複数の粒子の接合で立体構造が形成されている場合,高い過熱度を与えれば,基面より遠い部分のキャビティでも沸騰気泡核が形成されることが推察できる.粒子1層が溶射されたような皮膜(厚さ130mm)を製作し,試験したところ,層が厚い溶射面より熱伝達率が低下したが,平滑面にたいし,約4倍の伝熱促進効果が得られた. 狭隘流路熱交換器への展開を目的として,高熱流束実験用および中性子ラジオグラフィによる可視化実験用の試験部を製作し,まず平滑面での伝熱実験に取り掛かっている.流路幅20mm,流路高さ2mm,加熱部長さ100mmとし,前者は銅で,後者はアルミニウムで製作された.中性子ラジオグラフィ実験ではアルミ粒子を溶射する予定である.さらに,狭隘部での沸騰現象を評価するため,水平円筒試験部に円筒カバーを被せた実験を行い,沸騰熱伝達と沸騰開始過熱度を評価した.その結果,加熱量を徐々に増大させた場合にも沸騰開始後,急加熱で高い壁面過熱度を与えた場合と同等の熱伝達率が得られた.狭隘流路では高い熱伝達率が得られると期待できる.
|
Research Products
(1 results)