2006 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリック励振型動吸振器を使用した多自由度系の制振手法に関する研究
Project/Area Number |
17560203
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岩田 佳雄 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (90115212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松崎 俊彦 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (80293372)
|
Keywords | パラメトリック励振 / 振子系 / 動吸振器 / 多自由度系 / 制振 |
Research Abstract |
振子のパラメトリック励振を利用した動吸振器は、パラメトリック共振が発生する振動数領域においてのみ動吸振器としての効果を発生し、それ以外の振動数において振子は振動しないことを前年度明らかにした。このことを利用し、今年度においては多自由度系の振動の制振を試みた。通常の動吸振器によって多自由度系の制振を行う場合、例えば1次モード用動吸振器と2次モード用の動吸振器を設置するようなとき、これら2つの動吸振器による互いの影響を考慮しながら、すなわち自由度の増加による系の固有振動数の変化を考慮しながら2つの動吸振器の動作振動数を調整する必要があり、その調整には大変な困難が伴う。さらに3次モードも加えて通常の動吸振器により制振を行うことは実用的ではない。パラメトリック励振を利用した動吸振器の場合には、それぞれの動吸振器の動作振動数が異なるため互いに影響を及ぼすことがなく、動吸振器の設計・設置が容易になる。 このことを実証するため、3自由度系を製作してその1次モードと2次モードを対象に制振を試みた。すなわち多自由度系の1次共振振動数の半分の固有振動数を持つ振子系を1次モード用の動吸振器、2次共振振動数の半分の固有振動数を持つ振子系を2次モード用の動吸振器として設置し、その動作と制振効果を確かめる実験を行った。結果として、各モードの共振状態においてはそれに対応する動吸振器のみが動作し、系の振幅も減少することが確認された。この動吸振器を設置した系の解析モデルを作成し、シミュレーションを行った結果からも同様のことが認められ、これらのパラメトリック励振型動吸振器の作用によって制振の効果が発揮されていること、かつ容易に多自由度系の制振が行えることを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)