2006 Fiscal Year Annual Research Report
モデル規範診断のための動的荷重の高精度推定に関する研究
Project/Area Number |
17560207
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
河村 庄造 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00204777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
感本 広文 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (20273328)
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Keywords | 動的荷重 / 逆問題 / 異常診断 / モデル規範診断 |
Research Abstract |
昨年度は,稼働中の機械あるいは構造物に作用する動的荷重の高精度推定(外力同定)手法を提案したので,本年度はそれを援用した異常診断手法の提案と数値的及び実験的な検証を行った. 1.外力同定を援用した異常診断手法の提案 簡易診断で異常発生と判断された後に行う精密診断において,初めに外力同定を利用して異常の発生位置を絞り込み,その後に,従来の推定手法を用いて異常原因を特定する手法を提案した.発生位置の絞り込みにおいては,異常を外力の付加と考える際に,初期の異常は局所的に発生しており,外力は構造物の有限要素モデルの一要素にのみ作用すると考えた.次に可能性がある異常原因を数学モデルに組み込み,計算される応答と実際の応答との残差変化の特徴から異常原因を特定した. 2.数値例による検証 一様はりを取り上げ,提案手法の有効性を検証した.クラック,縦弾性係数の変化,密度の変化,集中荷重の付加という異常を発生させ,異常原因(種類と程度)が同定できるかどうか検討したところ,異常発生位置を絞り込まない場合は異常原因の特定が困難な場合があるが,絞り込みを行い,その要素における評価関数の変化を調べることで,異常原因を特定できることが示された. 3.実験による検証 昨年度に製作した実験装置を利用し,提案する診断手法の検証を行った.想定した異常原因はクラックと密度の変化(質量の付加)である.提案手法をそのまま適用すると正しい異常原因が推定できない場合があったが,同定結果に対して感度の低い測定データを省くことで,正しい異常原因の推定ができた. 本年度は外力同定を援用した異常診断手法を提案し,数値的及び実験的に検証した.数値的には正しく診断ができ,実験的にも測定データの性質を考慮することで正しい診断を行うことができた.
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Research Products
(3 results)