2007 Fiscal Year Annual Research Report
リスク鋭敏型確率制御による機械システムの振動制御に関する研究
Project/Area Number |
17560209
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 祐一 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (80273548)
|
Keywords | 確率システム / リスク / 機械制御 / リスクパラメータ / 予見制御 |
Research Abstract |
平成19年度は,機械システムに対するリスク鋭敏型確率最適制御問題として,電動式振動台の高精度制御を取り扱った.振動台で地震による加振状態を再現するためには,加速度データにうまく追従する必要がある.本研究では,地震の震動データがすべて予め分かっていることを利用し,地震波の追従制御に予見動作を付加することにより追従性の向上を試みた.その前段階の研究として,一般システムに対し,予見動作を伴うリスク鋭敏型確率最適制御問題に取り組み,追従性の向上と外乱に対する高いロバスト性を確認した.その成果に基づき,振動台に対する地震波追従制御問題に取り組んだ.これに関しても,良好な追従性を数値シミュレーションで確認することができた.リスクパラメータの設定に関しては,リッカチ代数方程式が解ける範囲で大きな値を用いることで高いロバスト性を得た. 柔軟構造物の振動制御については,振動台上での加振実験を実施した.リスク鋭敏型確率最適制御による振動抑制実験では,低周波数領域の外乱入力に対しては制御できることが確認できたが,高周波数領域における制御性能は十分に評価できなかった. 全般的な結論として,機械システムの制御に対しリスク鋭敏型確率最適制御を用いた場合には,外乱のパワーが小さいケースに対しては,LQG制御などと制御性能は大差ないが,大きな外乱が印加されるようなシステムに対しては致命的な制御性能の劣化が見られない.したがって,リスク鋭敏型確率最適制御は,強い外乱を受ける機械システムの制御に対して有用な制御方法である.
|
Research Products
(2 results)