2005 Fiscal Year Annual Research Report
細長い弾性送水管路系の曲管部分に発生する面外振動(脈動流が存在する場合)
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17560213
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉沢 正紹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10095664)
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Keywords | 弾性送水管 / 管内脈動流 / 曲管部分 / 連結送水管モデル / 三次元計測 / 非定常流体力 / 強制振動 / 基本振動モード |
Research Abstract |
内部流による弾性送水管における曲管部分の力学的挙動は,その現象の定式化が極めて複雑である.とくに工業的に大きな意味を持つ管内脈動流による曲管部の振動現象については,目下のところ支配方程式が未完成であると共に,曲管の運動を測定する方法が直管の場合に比べて難しく,定量的な実験も行われていない. そこで本研究では,最初に,脈動流に起因した曲管の面内振動について,重力の影響を正確に考慮した理論解析を行い,主に以下の成果を得た. 第一に,静的平衡状態からの変動分についての方程式の解,すなわち積分形を含む線形変数係数の偏微分方程式の解を,曲管の中心軸に沿った座標についてのべき級数の形で求めた.そして面内振動の複素固有値,複素固有関数を求め,曲管の面内自由振動を理論的に調べた.なお,面内自由振動については,従来の研究との比較検討の結果その妥当性が確認された. 第二に,管内脈動流による曲管の面内強制振動をハーモニックバランス法により解析し,曲管の面内振動の共振特性を明らかにした. 第三に,管内脈動流による曲管の面内強制振動の基本となる一次振動モードに着目して,連結送水管モデルを提案した.そして一次の振動モードは非定常流体力による強制振動であることを明確にした.とくに直管の場合に重要な,内部流による遠心力では一次振動モードの強制振動は起こらないことを指摘した. 最後に,二台のCCDカメラを用いて,脈動流成分による曲管の面内振動およびその一次振動モードをモデル化した連結送水管の三次元計測を行い,理論的に予測された曲管の一次振動モードの共振状態における振動現象を実験的に明確にした.
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Research Products
(2 results)