2006 Fiscal Year Annual Research Report
要素特性の改善による水平多関節型位置決め機構の高精度化と精度限界の究明
Project/Area Number |
17560223
|
Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
深田 茂生 信州大学, 工学部, 教授 (70156743)
|
Keywords | 精密位置決め / 水平多関節型機構 / SCARA型ロボット / 関節駆動機構 / 空気静圧軸受 |
Research Abstract |
水平多関節型機構はSCARA型ロボットの機構として組立ラインで多用されているが,直交型と比較すると精度が格段に劣ると言われる.しかし水平多関節型機構は,組立ライン上での応用性が極めて高く,最近ではライン上のインプロセス座標測定機としての可能性も期待されている.そこで本研究では,現状の先端要素技術を駆使した水平多関節型機構の機構設計を新たに行い,約300×200mmの作業領域にわたって1μmレベルの位置決め精度を持つ,飛躍的に高精度化された水平多関節型位置決め機構を実現するとともに,水平多関節型機構による位置決め精度限界を究明することを目的としている.本年度は,昨年度に設計製作された1軸の関節駆動機構を2軸機構へと展開した2自由度の水平多関節型位置決め機構を設計製作し,基本特性を評価した. 第1椀長さ250mm,第2椀長さ147mmとし,各関節の回転案内要素として,軸心の振れ精度0.05μmのエアスピンドルを採用し,その主軸をフリクションライブ減速機とDCモータで駆動する構成とした.角度検出分解能がθ_1軸720万ppr(0.18秒),θ_2軸144万ppr(0.9秒)のロータリエンコーダの目盛円盤を各関節の出力軸に直結し,関節角度をダイレクトに高分解能で検出する.また,関節が支持する腕の重心が常に関節の軸心と一致するような構造とした. 各関節軸を目標角度軌跡に追従させる制御アルゴリズムを構成し,位置決め実験を行った.目標角度が15degと30degに対して,角度偏差が検出分解能の1ビット以内に収まり,分解能レベルの位置決めを実現できた.次に目標点への位置決めを30回繰り返し,手先に取り付けたレーザー光源のスポット光を2次元PSDに照射することで手先位置を検出して整定位置のばらつきを測定した.(x,y)=(0,300)mmを目標点にした場合のばらつきの標準偏差(3σ)を求めたところ3.5μmとなり,従来の水平多関節型機構に比べてばらつき楕円の面積を10%程度まで低減することができた.
|
Research Products
(2 results)