Research Abstract |
本年度には,PASシステムモジュール構成法および運用システム構成法に注力した. 多数のセンサおよびアクチュエータが分散協調する自律ロボットにおいて,拡張性と省配線化の観点からそれらを結合し調停するため,自動車業界で利用されているCANを適用した体内ネットワークの構成法と制御システムを確立するなかで,RTコンポーネント化をすすめた. 分散オブジェクトサービスCORBAがサポートされないCAN上に,RTコンポーネント(RTC)を実効的に実装するため,上位系とのCORBA通信をサポートするプロキシコンポーネントを配し,下位系はネイティブな通信とRTC状態遷移を実行するRTC-CANを新たに開発し,ロボットコントローラに適した分散プロセッサシステムの構成法を明らかにし,実装によりその性能・機能を検証評価した. これらの制御においては,CANopenにおけるデバイスプロファイルを参考に,ロボットを構成するセンサ情報,アクチュエータ情報などを記述するデバイスプロファイルフレームワークの設計と検証を行った.本プロファイルはオーバヘッドの低減とデバイスの異常監視のためのハートビート機能などを特徴とする. 物理エージェントシステム(PAS : Physical Agent System)に関しては,これまでの要素技術を統合し,レーザポインタ誘導,障害物回避などの自律機能を組みこみ,その機能を動作を確認した. さらには,空間に分散したRTシステムとの連携システムを開発し,運用システムを構築,検証することを目的に,複数物理エージェント間協調のための情報共有システム構成法を検討した.本年度は様々なデバイスをシステムに組み込む際の簡便性を提供するため,UPnPサービスを導入し,ユーザの事前準備を不用とするプラグアンドプレイ機能をPASに実装し,その機能・性能を確認した.
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