2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁界源体外設置型人工心臓駆動用磁気式アクチュエータの性能向上と大出力ポンプの開発
Project/Area Number |
17560248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
早乙女 英夫 千葉大学, 工学部, 助教授 (50261938)
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Keywords | 人工心臓 / アクチュエータ / 磁気 / 金属磁石 / ポンプ |
Research Abstract |
本研究の目的は,人工心臓駆動に必要な仕様を満足する磁気アクチュエータを開発し,それを適用した大出力ポンプを開発することである。3カ年の研究遂行期間の1年目にあたる平成17年度では,以下の成果を得た。 (1)3次元磁界解析による金属磁石の形状設計 ヒトの安静時の心臓出力仕様である,左心室の拍出量4〜6l/min,一回拍出量60〜90mlおよび左心室出口の大動脈における平均圧力が約100mmHgであること,さらに,ポンプ内の最大圧力が健常者の最高血圧140mmHg以下となることおよび体内埋め込みを想定したポンプの大きさが1,600cm^3以下であることを考慮し,金属磁石の形状設計を試みた。その結果,磁石間距離に大きく依存する磁石間力をポンプの駆動源とする本システムでは,ポンプ圧力を100〜140mmHg内で動作させるためには,ピストン動作をする直動磁石のストロークを比較的小さく取らなければならないことが分かった。また,直動磁石を中空とすることで体内埋め込み部の質量が軽減されるので,この中空の大きさについても検討を行った。 (2)2室ポンプの考案 ポンプの大きさが1,600cm^3以下である条件の下,従来より提案している1室ポンプ(シリンダー部が1室)で上記の仕様を満足するように設計を試みたが,必要な磁石間力の23〜57%程度しか得られないことが分かった。そこで,シリンダー2室が相補的(complementary)に動作するポンプ構造を提案し試設計したところ,仕様の46〜64%の磁石間力が得られるまでに向上したが,100%までには至らなかった。 (3)ポンプの構造設計 2室ポンプの試設計を行った結果,回転磁石の回転数が40rpm時に最大出力0.46Wを期待できることが分かった。このとき,磁石形状は,外径96mm,厚み7.7mmおよび中空径8mmで,ヨーク無しという結果になった。
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Research Products
(1 results)