2006 Fiscal Year Annual Research Report
色素増感機能と光蓄電機能をあわせ持つ新たな光電変換素子創製に関する研究
Project/Area Number |
17560257
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
原 一広 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (00180993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 弘高 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (90221142)
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Keywords | 白濁現象 / ナノスケール構造 / 小角X線散乱 / 海島構造 / 光学特性変化 / 力学特性変化 |
Research Abstract |
色素増感機能と光蓄電機能をあわせ持つ新たな光電変換素子構成、及び、素子の光電特性を明らかにするという本研究課題の最終目標実現の為には、色素増感型太陽電池の場合と同様に、高効率化の為に必要な電解質と大きな接触面積を持つ母材作成、その構造評価が必要である。その実現の為に必要な微細構造を作製する際に、本研究では母材として研究計画で記したN-isoprpyl acryl amide/sodium acrylate共重合体を用いたが、その基盤作製過程において、以下に述べる新たな知見が得られた。N-isoprpyl acryl amide/sodium acrylate共重合体は乾燥により〜10nmの相関長を持つ海島構造を生じる事を報告者は以前に見出し報告してきている。本研究はこの海島構造のクラスターに機能物質を不均一吸着させ、広い表面積を持つナノスケール構造体をつくろうというものであるが、用途に応じた素子を実現する為には、海島構造のナノスケール構造の制御が必要である。その為に試薬組成を変化させナスケール相関長の制御を行った所、ある値を境にN-isoprpyl acryl amide/sodium acrylate共重合体が著しく白濁する事が見出された。この現象は、素子製作の際の大きな問題であると考えられる為に、光学的特性を含めた幾つかの物性の試薬組成変化に伴う変化のキャラクタリゼーションを行った所、白濁を生じる架橋剤濃度を境として著しい変化が生じる事が明らかとなった。また、この白濁する事により共重合体に存在するナノスケール海島構造がどの様な影響を受けるかの検討の為にシンクロトロン光による小角X線散乱実験を行った所、それまで極めて明瞭に見られていたナノスケール構造が白濁現象が生じる架橋剤濃度において崩壊し大きな影響を受ける事が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)