2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境問題に着目した義務教育課程におけるパワーエレクトロニクス教育実践
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17560259
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
東 徹 熊本大学, 教育学部, 教授 (80165076)
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Keywords | パワーエレクトロニクス / 環境教育 / エネルギー変換 / 電気自動車 / 回生ブレーキ |
Research Abstract |
1.電気より光へのエ練りグー変換教材の開発 従来の磁気式蛍光灯に比べて、高周波点灯蛍光灯が持っている3つの特徴(高速点灯、高効率、フリッカーレス)を体験的に学ぶことができる教材を開発した。まず、100kHzで点灯する教材用の自励型ハーフブリッジインバータ蛍光灯を開発した。次に、高速点灯を体験可能な、7セグメントの数字表示器を開発した。従来、数字表示用に7セグメントのLEDがあるが、今回は、インバータで駆動される蛍光管7本を使用しゼロから9まで1秒間隔で数字を表示するものである。これは、従来の磁気式蛍光灯では不可能な動作である。次に、高効率を体験する教材を製作した。これは、蛍光管に入力される電力をインバータ式および磁気式双方で同じにし、同じ蛍光管を使用し、同じ距離のところで照度を測定するものである。実験の結果・インバータ式の方が磁気式に比べて、照度が15%上昇した。最後に、ちらつきの比較は、毎秒2000コマ撮影可能な高速度カメラを使用し、双方の蛍光灯を撮影したビデオ教材を制作した。磁気式の場合、電流がゼロになる時点で蛍光管が消灯するが、インバータ式の場合明るさは変化しないことが分かった。 2.電気より運動への双方向エネルギー変換教材の開発 電気より運動へのエネルギー変換教材として、人が乗車し運動エネルギーを体感できる電気自動車を開発した。本電気自動車は、速度制御された100Wのモータ2個と24Vのバッテリーにより動作し、中学校ロボコンで使用されるコントローラやジョイスティックで運転することができる。オシロスコープを搭載可能で、運転しながらキータの電圧波形を見ることが可能である。従って、運転者は速度とモータのPWM電圧波形を体感することができる。次に、回生ブレーキ用双方向電力変換回路の開発を行った。この回生ブレーキを用いることにより、モータが発電する電気エネルギーをバッテリーに充電することができ、エネルギーの再利用が可能となる。このための直流モータ用双方向電力変換回路を開発した。これを使用することでPWM制御により速度亀御および回生ブレーキ動作が可能となった。また、マイコンを使用した電力量測定器を製作し、バッテリーからモータヘ行くエネルギーおよび回生ブレーキ時にバッテリーへと充電されるエネルギーを測定することができるようにした。また、モータが回転している時は発電機になることと抵抗ブレーキのしくみを学ぶ生徒用実験装置も開発した。以上の教材を使用し、中学校選択技術の時間で、中学校3年生を対象に検証授業を実施した。事前・事後のアンケートおよび授業中の観察により、本教材が有効であることがわかった。
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Research Products
(4 results)