2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化機能を用いた並列化DC-DCコンバータの解析と合成に関する研究
Project/Area Number |
17560269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
斎藤 利通 法政大学, 工学部, 教授 (30178496)
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Keywords | DC-DCコンバータ / 電流分担 / 多相同期 / 並列化 / 低電圧大電流 / 分岐 / カオス |
Research Abstract |
スイッチングDC-DCコンバータを並列化した系は、次世代マイクロプロセッサ等への低電圧高電流のエネルギー供給のための技術としても、様々な興味ある現象を呈する非線形ダイナミカルシステムとしても、注目されている。自己組織化機能に関連したWTAに基づく並列系を構成し、これの呈する現象を解析し、応用のための性能向上の基礎を固めるべく研究を行い、以下のような結果を得た。 1)並列化系の構成要素である単体コンバータの現象を解析するために、負荷の時定数がクロック周期よりも十分大きい場合を対象とした区分定数モデルを構成した。同モデルでは、回路方程式のベクトル場は区分定数、解軌跡は区分線形となり解析に大変有利である。これを用いて回路が安定に動作するパラメータを明らかにした。また、カオスや複雑な分岐現象が発生するパラメータについても考察した。 2)並列化系の区分定数モデルを構成し、同モデルを用いて、動作解析のためのリターンマップを導出した。同マップは、N個の区分線形一次元マップが、WTAスイッチングによって結合されたN次元マップである。同マップを用いて、並列化系が、安定して低リップルで電流分担できるパラメータ領域を明らかにした。また、動作が不安定となり、ハイパーカオスや複雑な周期現象が発生する場合についても考察した。 3)系の動作を確認するために、区分定数モデルに対応する回路を試作してハードウエア実験を行った。回路のスイッチング制御はデジタル回路を中心として実現した。これを用いて、単体では様々なカオスや分岐現象が発生することを確認した。また、並列化系では、分担した出力電流の多相同期によってリップル除去が安定に行えることを確認した。複雑な非線形現象の発生についても検討した。 以上の研究成果は、国内外の学会等で公表した。投稿も行った。
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Research Products
(6 results)