2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化機能を用いた並列化DC-DCコンバータの解析と合成に関する研究
Project/Area Number |
17560269
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
斉藤 利通 法政大学, 工学部, 教授 (30178496)
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Keywords | DC-DCコンバータ / 電流分担 / 多相同期 / 並列化 / 低電圧大電流 / 分岐 / ハイパーカオス / 超安定周期解 |
Research Abstract |
並列化DC-DCコンバータは、次世代マイクロプロセッサ等への低電圧高電流エネルギー供給技術としても、様々な興味ある現象を呈する非線形系としても、重要である。多変数非線形関数であるWTAを用いて系の並列化を行い、現象解析と性能向上のための研究を行い、主に以下のような結果を得た。 1)従来の単一入力のモデルを、多入力のモデルに拡張し、無次元化数理モデルを導出し、本質的なパラメータを明らかにした。このモデルは先のモデルと同様、ベクトル場が区分定数であり、精密な解析に非常に適している。系の呈する現象を解りやすく視覚化する方法を考案し、3つのコンバータを並列化した場合に、系が呈する複雑なカオス現象や周期現象を観測した。 2)現象を解析するために、単体の解析を対象とした従来の写像法を、任意の個数の並列化系に適用できる形に拡張した。解析のパラメータ依存性を考察し、パラメータ空間を適当に分類し、各部分空間における写像法を理論的に定式化した。この解析法を適用し、多入力系には単一入力系には見られないハイパーカオスや超安定周期解に関する様々な分岐現象が発生しうることを解明した。 3)系の動作が不安定となった場合に、外部から制御クロックに同期したインパルス状の信号を印加して安定化する方法を考案した。この方法は、状態変数を所望の値にジャンプさせる非常に簡素なものであり、定常状態への過渡現象が非常に短いという利点を持つ。さらに、所望の定常状態が未知の場合も想定し、基本的な解探索法である二分法を制御法に組み込み、所望の定常状態の探索と安定化を同時に行う方法を構築した。同手法の簡素な回路実装法も考案した。回路の基本的な動作は、典型的な例題を対象としたPSPICEシミュレーションによって確認した。 以上の研究成果は、国内外の学会等で公表した。
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Research Products
(6 results)