2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560275
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
西 敏行 富山工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (30180574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 良一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90148148)
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Keywords | 架空絶縁電線 / 沿面放電 / 雷インパルス / 雷外対策 |
Research Abstract |
市街地に見られる高圧架空絶縁電線は、電柱にがいしとバインド線によって支持されている。配電線の近傍に落雷が生じた場合、電線の心線には誘導雷サージ電圧が侵入する。このサージ電圧の波高値は、落雷地点と電線との距離によって種々変化する。また、サージ電圧の波頭長も種々の値をとることが観測により報告されている。さらに、誘導雷サージの極性は、対地雷放電の電流の極性により、正極性、負極性の2種類が存在する。夏期雷は、一般的に負極性雷が多く、そのため、雷サージの極性はほとんどが正極性となり、逆に、冬季雷は、正極性雷の割合が多くなるため、雷サージの極性は負極性が多くなる。雷サージ電圧が、電線の支持点に到達すると、がいしの絶縁破壊に続きバインド線先端から電線表面に沿って沿面放電が進展する。沿面放電の極性は、誘導雷サージの極性により正極性、負極性の2種類が存在する。この沿面放電が、電線溶断事故などの原因となる。このような災害を未然に防ぐためには、沿面放電現象の特性解明が重要となるが、現在では未解明な点が多く存在している。 今年度は、誘導雷サージの波高値V_m(V_m=-90、-100kV)、波頭長T_f(1.2≦T_f≦100.0μs)が、電線表面を進展する正極性沿面放電にどのような影響を及ぼすかを観測し、以下のような新しい知見を得た。 1、進展長について 波頭長T_f=1.2〜8.0μsでは、波頭値の上昇とともに単調に増加し、進展長に相違は見られない。しかし、波頭長T_f=10.0〜100.0μsでは、波高値の上昇とともに進展長は単調に増加するが、波頭長が長い場合ほど短くなる。T_f=1.2、100.0μs.における進展長をV_m=-100kVの場合について比較すると、T_f=100.0μsでは、T_f=1.2μsの場合より、約30%に減少する。2、進展様相について 波高値、波頭値が変化しても影響を受けず、電線表面をジャンプしながら進展する。
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Research Products
(2 results)