2007 Fiscal Year Annual Research Report
MOVPE成長InNの高品質化と電子輸送特性の解明
Project/Area Number |
17560278
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山本 あき勇 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 教授 (90210517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 明弘 福井大学, 工学研究科, 准教授 (10251985)
葛原 正明 福井大学, 工学研究科, 教授 (20377469)
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Keywords | InN / MOVPE / Mgドーピング / CP_2Mg / キャリア濃度 / 抵抗率 |
Research Abstract |
アンモニア(NH_3)とトリメチルインジウム(TMI)を原料として、常圧有機金属気相エピタキシ(MOVPE)法によるサファイア基板へのInN膜成長を行い、成長膜の輸送特性について検討した。得られた結果は以下のとおりである。 1.MOVPE成長ノンドープInN膜の酸素雰囲気中熱処理効果 ノンドープInN膜(n型)を酸素雰囲気中、約300℃で熱処理することにより、残留キャリア濃度の大幅低減(約1/4)、フォトルミネッセンスの強度増大(3倍以上)、ピークエネルギー低下(約60meV)が生じることを初めて見出した。なお、熱処理による電子移動度の変化は見られない。熱処理効果は、熱処理による結晶学的な変化が見られないこと、不活性ガス中では熱処理効果が見られないことなどから、酸素による水素ドナーの低減が原因であると考えられる。 2、MOVPE成長MgドープInN膜のキャリア輸送特性の検討 p型InNの実現を狙いとして、シクロペンタジエニルマグネシウム(CP_2Mg)を原料としたMgドーピングについて検討した。CP_2Mg/TMIモル比0.005〜0.2の条件で成長させたMgドープInNは、ホール測定ではn型伝道を示したが、CP_2Mg/TMIモル比0.02〜0.05付近に抵抗率の極大値を示すことを見出した。この結果は、MgによってInN中の残留ドナが補償されたことによると考えられ、p型化の可能性を示唆するものと考えられる。
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Research Products
(4 results)